りかりー

りかりーと申します。 いつもお星さま応援ありがとう! お礼にミニ話をプレゼント(*´ω`*) 『運命の赤い糸は……?』 眠っていたくちびるに、そっと柔らかいものが押し当てられる。 そして、名残惜しそうにゆっくりと離れてく。 さらり、髪に一筋触れて、その人影はドアを開けて出ていった。 扉が閉まると、わたしは口を覆い起き上がった。 (うそ、キスされた……?) それは、わたしの恋の始まりだった─── 眠れないまま夜が明けて、朝食とお弁当の準備のためベッドを下りてエプロンを掛けた。 わたしの家は、数年前にお母さんが亡くなり、お父さんは単身赴任で家にいない。 わたしにはお兄ちゃんが3人いて、毎日、みんなのお弁当を作ってた。 作りながらも思い出すのは昨夜のこと。 確かに誰かが部屋に来て、くちびるを寄せて髪に触れて出ていった。 部屋を出ていった人影だけはっきりと覚えてる。 (お兄ちゃん……だよね) 一番上のお兄ちゃんは社会人。社でも評判のイケメン営業。 「おはよう、今日も可愛いな。我が妹は」 わたしを溺愛している24歳、空兄ちゃん。 「お!いい匂いだな。どれ!」 横から卵焼きをつまみ食いしたのは2番目のお兄ちゃん、大学2年の明るくて人気者。陸兄ちゃん。 「……眠い」 ボサッとした寝癖そのままで上半身裸で現れたのは3番目のお兄ちゃん。高校3年のクールで人気の海兄ちゃん。 お兄ちゃんたちと血は繋がってない。と、聞かされたのはわたしの16歳の誕生日。 お母さんの亡き親友の子供のわたしを幼い頃に引き取ったという。 それまでは本当のお兄ちゃんたちだと思ってたからショックだったけど、今は違う。 他人でよかったと思う。だって、わたしは─── 「ウインナー、黒焦げになるぞ」 海兄ちゃんのボソッと告げた声に慌ててフライパンを上げた。 あーあ、やっちゃった。焦げた。 「大丈夫か?火傷してないか?」 「朝からボーッとして、何かあったのか?」 空、陸兄ちゃんは顔を覗き込む。 「………」 海兄ちゃんはイスに座ったままこっちを見てた。 考え事してるなんてお兄ちゃんたちにはバレバレ。 「昨日の夜、夢を見て……」 「夢?それはどんな夢なんだ?」 口ごもったわたしに空兄ちゃんが席について心配そうに言った。 「眠ってたらキスされた夢」 告げた途端に3人とも飲んでいたコーヒーを吹き出した。 2枚めへ
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ミニ話しありがとうございます💕
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