@りかりー:つづき 「体……弱いくせに、走るなよ」 月に一度は熱を出しては寝込んでた。 忙しい両親の代わりに俺が面倒を見ていた。 いつからだろう? クラスメートにいじめられても俺がそばについていてやらなくてもよくなったのは。 遠い過去を思ってると、 ぐらりとよろけ、アイツが膝をついた。 その顔色は真っ青だ。 「アイツ……」 屋上から階段を駆け降りて校庭へ走ると、その人垣の中から奪うと抱き上げた。 「鷹先輩!?」 「えっ!うそっ!」 呼吸が浅く速い。白い顔が苦しげに歪む。 貧血か…… 医務室に運び込むとベッドに寝かせジャージの前を寛げた。 瞬間、首からするりと掛けられてた小さな袋が落ちた。 幼い頃から下げていた御守りの中身がはみ出て見えた。 ……オモチャの指輪? その時、医務室のドアが開いた。 立ってたのはコイツのいとこ。俺の天敵だ。 僕が看るから帰っていいと、追い出そうとして俺の手にある御守りに気づいた。 「それは……」 奪うように取られた御守り。 その中身のことを知っていたのか。 天敵。 俺から平気でコイツを奪ってく。 「鷹、おまえにみゆは渡さないからな!」 それは堂々とした宣戦布告だった─── 後編へ(次回、10月後半のミニ話へ)
みゅ
もう、ドキドキ😍💓指輪は、誰からの贈り物?後編も楽しみにしてます🎵
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私の支えでもあります。少しづつ無理のないなかで書いてくださいありがとうございます🙇
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@りかりー:みゃさん、こんにちは! いつもたくさんの応援ありがとうございます。 お礼にミニ話をプレゼント!(*´∇`*) 『ドS上司に飼われました!』 「おまえの席はここだ。何か文句でもあるか?」 ないです。ないです。全然ないです。 ありますって言ったら、何をされるかわからないもの。 「たとえ、文句があったとしても変えるつもりはないがな」 口の端を上げて意地悪く嗤うのは、わたしが配属された先のイケメン課長、冴木徹。 すべての女子社員が狙っているほどの大物。 わたし(みゆ)は入社試験の時に、遅刻しそうになって慌てて飛び乗ったエレベーターで、上司を押し倒すというヘマをやらかした。 それも押し倒しただけじゃなく、くちびるが触れてしまったという……(悲しいかな、わたしのファーストキスの相手でもある) わたしの机。 なんたって冴木課長の真ん前に置かれた。 みんなの机は課長から少し離れたところにあって、左右に5人ずつ並んでるのに。 入社試験の面接官だったと、面接室で顔を合わせた時には絶望した。 絶対に落ちると思った。 それなのに、なぜか受かって今はここにいる。 ある意味、この状況も絶望だけど。 「おまえには俺のサポートとしてついてもらう。反論は許さない」 「あの、でもそれは」まずいんじゃ…… 「反論するなと言ったろう。早速だが出かける。ついてこい」 社内の研修期間を無事に終えて、配属された当日。 席に座らないうちに冴木課長が上着を持った。 今すぐなの?うそ! 「何してる。早く来い!」 みんなの憧れの冴木課長。 その課長がオロオロするわたしにこめかみに青筋を立てた。 「は、はいっ!」 慌てて冴木課長の背中をついていく。 と、ヒールが滑って、 「きゃあっ」 振り返った冴木課長の胸に飛び込んでしまった。 「おまえは、俺に何か恨みでもあるのか💢」 怒れる冴木課長のシャツには、わたしの淡い色のくちびるの跡がしっかりとついていた。 怖い冴木課長。怯えるわたし。 正社員1日目のわたしは、早くも冴木課長の怒りを買ってしまった。 「おまえ、いい度胸してるな」 目の据わった冴木課長がいた───
みゅ
お久しぶりです。昨年主人を亡くし、中々立ち直れないでいるみゅです。でも、このストーリー大好きです🎵この先が楽しみです。
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@りかりー:りかりーと申します。 いつもお星さま応援ありがとう! お礼にミニ話をプレゼント(*´ω`*) 『運命の赤い糸は……?』 眠っていたくちびるに、そっと柔らかいものが押し当てられる。 そして、名残惜しそうにゆっくりと離れてく。 さらり、髪に一筋触れて、その人影はドアを開けて出ていった。 扉が閉まると、わたしは口を覆い起き上がった。 (うそ、キスされた……?) それは、わたしの恋の始まりだった─── 眠れないまま夜が明けて、朝食とお弁当の準備のためベッドを下りてエプロンを掛けた。 わたしの家は、数年前にお母さんが亡くなり、お父さんは単身赴任で家にいない。 わたしにはお兄ちゃんが3人いて、毎日、みんなのお弁当を作ってた。 作りながらも思い出すのは昨夜のこと。 確かに誰かが部屋に来て、くちびるを寄せて髪に触れて出ていった。 部屋を出ていった人影だけはっきりと覚えてる。 (お兄ちゃん……だよね) 一番上のお兄ちゃんは社会人。社でも評判のイケメン営業。 「おはよう、今日も可愛いな。我が妹は」 わたしを溺愛している24歳、空兄ちゃん。 「お!いい匂いだな。どれ!」 横から卵焼きをつまみ食いしたのは2番目のお兄ちゃん、大学2年の明るくて人気者。陸兄ちゃん。 「……眠い」 ボサッとした寝癖そのままで上半身裸で現れたのは3番目のお兄ちゃん。高校3年のクールで人気の海兄ちゃん。 お兄ちゃんたちと血は繋がってない。と、聞かされたのはわたしの16歳の誕生日。 お母さんの亡き親友の子供のわたしを幼い頃に引き取ったという。 それまでは本当のお兄ちゃんたちだと思ってたからショックだったけど、今は違う。 他人でよかったと思う。だって、わたしは─── 「ウインナー、黒焦げになるぞ」 海兄ちゃんのボソッと告げた声に慌ててフライパンを上げた。 あーあ、やっちゃった。焦げた。 「大丈夫か?火傷してないか?」 「朝からボーッとして、何かあったのか?」 空、陸兄ちゃんは顔を覗き込む。 「………」 海兄ちゃんはイスに座ったままこっちを見てた。 考え事してるなんてお兄ちゃんたちにはバレバレ。 「昨日の夜、夢を見て……」 「夢?それはどんな夢なんだ?」 口ごもったわたしに空兄ちゃんが席について心配そうに言った。 「眠ってたらキスされた夢」 告げた途端に3人とも飲んでいたコーヒーを吹き出した。 2枚めへ
みゅ
ミニ話しありがとうございます💕
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@りかりー:続き 「昨日の夜、夢を見て……」 「夢?それはどんな夢なんだ?」 口ごもったわたしに空兄ちゃんが席について心配そうに言った。 「眠ってたらキスされた夢」 告げた途端に3人とも飲んでいたコーヒーを吹き出した。 「なっ!」 慌てるお兄ちゃんたち。 「そ、それはすごい夢だな。で、相手は?」 陸兄ちゃんが唾を飲み込む。 わたしは首を横に振った。 「わからない」 「それは、夢だろ?夢だものな。うん、夢だ、な、海」 「………ああ」 空兄ちゃんが海兄ちゃんに同意を求め、海兄ちゃんはむすっとして答えた。 「それって、気になる人がいるからそんな夢見るんじゃねえのか?」 突然、陸兄ちゃんが真剣な表情をしてわたしを見た。 「俺がその相手だったら嬉しいんだけど?」 え?よく分からない。どういう意味? 「陸!それ以上はよせ!」 空兄ちゃんが止めるも止まらない。 「本当の兄妹じゃないってはじめから知ってて、今さら妹になんか見れるかよ。空兄も俺もずっと───」 その瞬間、鈍いわたしでも知ってしまった。 陸兄ちゃんがわたしのことを憎からず想ってるってことを。 そして、空兄ちゃんも。 じゃあ、昨夜のキスは夢じゃなくて、現実? キスは空兄ちゃん?陸兄ちゃん?だったの? 海兄ちゃんじゃなくて? 「俺たちはみゆのことを大切に想ってる。でもそれは押し付けじゃない。おまえはおまえの恋をしていい。……昨日の夜の相手は俺だ」 空、お兄ちゃん……? 全員が固まった。 『あのキスは俺だよ』 お弁当に詰めかけていた卵焼きが床に落ちた─── 後編へ続く
みゅ
え!誰?
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@りかりー:りかりーと申します。 こんばんは! 毎日たくさんのお星さまありがとうございます(*´ω`*) お礼にミニ話をプレゼントφ(゜゜)ノ゜ いつも本当に感謝です! 黒豹の恋(後編) 転入してからしばらくして。 廊下を歩いてたら、「ちょっと待て。おまえ、強い気配がしてる」と、有王先輩に顔を覗き込まれた。 「この気配、あやかしに取り憑かれているのか。かなり、ヤバそうだな。すぐに祓わないと……これを見ろ」 有無を言わせず先輩の出した紙切れを見せられた瞬間、体に力が入らなくなって意識が途切れた。 ※※※ 気がつくと、大きな屋敷の庭に座らされ、有王先輩が護摩を焚き呪を唱えていた。 「ここは……?」 「俺の家だ。いいか、見てろ。おまえに憑いているモノを引き摺り出す」 そう言って、唱えた呪の炎の中から現れたのは、漆黒のしなやかな体を持つ獣だった。 護摩焚きの前に、悶え苦しみ転がり出る。 その姿が、転がりながら黒豹へ、お兄ちゃんの姿へと変わってく。 「見ろ、正体はあやかしだ」 有王先輩に現実を突きつけられ、驚きでお兄ちゃんが伸ばした手をつかむことができなかった。 そして、我に返った時には、黒い獣もお兄ちゃんの姿も消えて、ひとりぼっちに戻っていた。 「これでいい。あやかしは消えた」 「そんな……」 ※※※ あれから、夢に見るのは、会いたくてたまらない人のこと。 お兄ちゃんだった人は、あのあやかしは、本当に消えてしまったの? 月のない夜、ぼんやりと座り込んでいたら、窓辺に一瞬だけ黒い獣の姿が見えた。 「待って!」 あやかしでもかまわない。お兄ちゃんでなくてもいい。 わたしの願いを叶えてくれたのは、あなただから。 「置いて行かないで!わたしも連れてって!」 背を向けた黒豹にしがみついた。 「……きっと後悔する、それでも?」 絶対に後悔しない。 「一緒に生きていきたいのは、あなただとわかったから」 「……みゆ、我についてくるならもう逃がしてやれない。それでも?」 「それでもいい。どこへでも連れてって」 黒い獣から人の姿になってわたしを抱き締めた。 「ああ、どこまでも一緒に行こう」 完
みゅ
ミニ話ありがとうございます🙇みゅは、ついて行きます🎵私もついて行きたい😄
@りかりー:続き 「みゆ、起きろ。起きないなら襲うぞ」 …………? 目が覚めて、ぼんやりしてまだ夢を見ている気がした。 ベッドの上で不敵な笑顔で覆い被さっているのは、ふたつ年上のお兄ちゃん。 「朝メシ冷めるだろ。それともこのまま俺に襲われるか?」 お兄ちゃんの瞳が妖しく光る。 あたふたと起き上がろうとして、ふわっと横抱きにされた。 「つかまってろ」 慌ててお兄ちゃんの首にしがみついた。 朝ごはんをふたりで食べ学校へ。 車から降りると周りにいた女子がお兄ちゃんを見て黄色い声があがる。 それを無視してわたしの手を引いて教室まできた。 「───」 ザアッっと風が吹いた。 お兄ちゃんがなんて言ったのか風に遮られよく聞こえなかった。 帰りにクラスの男子が青い顔で話しかけてきた。 「あんたの兄、アレは人間じゃな、」 「俺がなんだって?」 声に振り返るとお兄ちゃんが迎えに来てて、ガタガタと震え話の途中でいなくなってた。 「さあ、帰るぞ」 手を引いてくれるお兄ちゃんが何かを呟いてフッと笑った。 次の日、わたしに話しかけてきた男子は休んでいた。やっぱり昨日は具合が悪かったんだ。そう思った─── ※※※ 月のない夜。 「ひとりは寂しい。ひとりは悲しい。 心が凍えて苦しい……誰か、助けて……」 夢だと知ってるのに涙がこぼれる。 張り裂けそうな心は震える手足を抑えられなかった。 ふわっと、頭に温かい手が触れた。 その手は背中からすべてを包む。 「おまえには俺がいる」 おまえはひとりじゃないと、囁かれて見ていた悪夢が消えてく。 「だから……泣くな」 漆黒の髪、金色の瞳が頬に触れて揺れる。 泣きたいほど優しくてお兄ちゃんの手を握り返した。 「ずっと、……そばにいて」 「ああ、絶対に離れない」 額に優しいキスが降ってくる。 わたしにはその手が唯一だから……だからどこにも行かないで。 すべてを失うのは一度だけでいい。 二度と大切なものを失いたくない…… 「……助けてくれたあの時から、我の心はおまえのものだ」 切なく聞こえた声にゆっくりと目蓋が閉じてく。 「そして……おまえのその身も心も我のものだ。誰にも渡さない───」 眠りに落ちる瞬間に見えたもの。 それは、漆黒のしなやかな体と尾でわたしを包む温かな獣だった─── 後編へつづく
みゅ
キャー😆後編が楽しみ💕
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@りかりー:2枚目です。 どうでしょうか? 感謝を込めて送ります(*´∇`*) 『龍神さまの溺愛』続き ※※※ そっと目を開けると、柔らかくて温かい光が全身を包んでいた。 気づくと背中の痛みもいつの間にか消えていた。 「龍神、さま……?」 九尾の狐も鬼の頭領、そして孝太も。 みんながわたしの顔を覗き込んでいた。 「遅いぞ。やっと来たか」 龍神さまの元に戻ってこれた。 みんなのいるところへと帰ってこれた。 「ただいま、……龍神さま。みんな」 泣きたいほど嬉しくて龍神さま、みんなを抱き締めた。 わたしの命を繋いでくれたみんなの思いが体の中で温かく光ってる。 「……龍神さま、少し苦しいです。そんなに強く抱き締めなくても」 わたしの龍神さまは力が強い。 「我慢しろ、……もう少しだけだ」 掠れた声。涙声だ。 本当はわかってる。 龍神さまもみんなも無茶なほどの力を使ってわたしを助けてくれたってこと。 それだけ龍神さまはわたしを失いたくないと思ってくれたってこと。 不器用な龍神さまが誰よりも愛しすぎる。 「さてと、俺は彼女に会いに行ってこようかな。龍を見てたらなんだか悔しくなった」 「え?」 「俺も嫁さんを探しに行こ。どこにいるのかな、俺のマイハニーは。龍、じゃあな」 「えっ?えっ?」 「おっと、孝太も来い。俺がいい女を紹介してやるから」 「えっ?えっ?えっ?」 突然、孝太を引きずるようにしてあやかしたちの姿は消えて行った。 残されたのはわたしたちふたり。 龍神さまはゆっくりと顔をあげてわたしを見つめた。 琥珀の目がとてもきれい。 「……おまえを誰にも渡したくない、みゆが、好きだ」 その瞳にわたしが映ってる。 「死にかけた俺を救ってくれたあの時からずっと。……もう、待てない」 触れるくちびる。 甘く約束の時を結ぶ。 「今夜、俺の花嫁になってくれるか?」 真っ直ぐに伝えられた心に、わたしは微笑んで頷いた。 「大好きです、龍神さま」 【完】
みゅ
素敵💕助かって良かった🎵二人が結ばれて安心しました🎵
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@りかりー:みゅさん、毎日応援ありがとう! お礼にミニ話をプレゼント(*´∇`*) 「みゆっ!!」 崩れるように倒れたわたしを龍神さまが抱え叫んだ。 何が、起こったの? 振り向くと幼馴染みの孝太の手には血の付いた太刀が握られていた。 顔を上げた孝太は焦点の合わない目で、太刀の先を見る。 次の瞬間に、孝太の口から黒い靄が吐き出され、その黒い靄は膨らみ巨大な蛇になった。 「邪神かっ!?」 「龍神になれず邪神に墜ちた蛇め!」 わたしを抱えた龍神さまの手が真っ赤に染まって、命よりも大切にしていた珠が流れてく。 ああ、わたし死ぬのかな。 龍神さまの体が震えてる。それが答えだとわかった。 「待ってろ!絶対に助けてやる!」 九尾の狐が叫び元の姿に戻り毛を逆立てて黒蛇に躍り掛かる。鬼は長い爪で蛇の目を切り裂いた。 孝太は蛇が抜け出ると我に返った。 「俺は、なんてことを!」 「孝太は悪く、ないよ……」 蛇邪神に憑かれただけだもの。 微笑むと口から熱いものが滴った。 「助けて、やる!」 龍神さまの震える声に、 わたしは最期に龍神さまの頬にくちびるを寄せた。 力を失くしてくわたしを龍神さまが震えながら抱き締めてくれた。 静かに目を閉じ、龍珠が龍神さまの手に戻ってく。 お返ししますね、龍神さま─── ※※※ 絶望に打ちひしがれる。 失ったものは魂の片割れ。もう二度とこの手には戻らない。 天を仰いで魂の片割れを手に抱き上げると空へと舞い上がる。 『天よ、叫べ!』 青かった空が一瞬にして雨雲に覆われ雷が落ちる。風が吹き荒れ、雨も雹も地を叩く。 あの心優しい娘に神もあやかしも救われた。 その笑顔に、その小さな手に心が救われた。 それを一瞬で失った。 バキバキドドーンッ 天の怒りと悲しみが黒蛇を貫いて、真っ黒に焦げた黒蛇は粉々になり吹き飛んだ。 龍神に残されたのは、魂を失った片割れの身体だけ。龍神は手の中の娘に頬擦りし、大粒の涙を溢した。 二度と龍の珠は命を繋がない。 それでも龍神は奇跡を信じて龍珠を娘の胸元に置いた。 「俺の尾を分けてやる。必ず助ける!」 「もちろん俺の頭の角もやろう。神力と妖力を合わせればどうにかなるかもしれない!」 「俺だってこいつのためなら!」 皆が龍珠に手を翳す。 奇跡が起こることを信じて…… 2枚目につづく
みゅ
奇跡を信じる😭
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@りかりー:続き2 「知って、たのか」 銀の狼は瞬きする間に傷だらけのお兄ちゃんの姿になった。 力が抜けてくわたしを抱き締め返す。 「こんなバケモノだぞ、俺は」 「それでもいい……姿が変わっても」 目が霞んでく。 大好きなお兄ちゃんをもっと見ていたいのに。 「よせ、もう喋るな!すぐに手当てしてやる!約束しただろう。おまえが16歳になったら嫁にすると。今夜がその日だ!」 欲しくてたまらなかった想いをもらって嬉しくて涙が溢れた。 「うん。……わたし、お兄ちゃんのお嫁さんに、なる」 だから、 「……芝くん、お願い。お兄ちゃんを傷つけないで」 芝くんは殺気をなくして呆然とわたしを見下ろしていた。 「こんなはずじゃ、なかった。俺はただ」 人を守ろうとした。 わかってる。きっとそれが正義。 「ううん、いいの」 お兄ちゃんは人を喰らう恐ろしい妖しじゃないってわかってもらえたそれだけでいい。 微笑むと芝くんがハッとして、 「すぐ治癒の術をっ!」 お兄ちゃんの隣で跪いた。 「なっ!?術が効かないっ。そんな!」 「俺の力をやる!」 地に沈みそうなほど重かった体が、ふわふわと浮き上がる感覚がして目を開けた。 「わたしは……?」 芝くんが深く息を吐いた隣で、お兄ちゃんがわたしを掻き抱いた。 「……もういい」 芝、くん? 「人間を襲わない、喰らわないなら、調伏も必要ない。……傷を負わせて悪かった。ごめん」 肩越しに振り返り苦く笑うと、背を向けて芝くんは部屋を出ていった。 わたしはお兄ちゃんの頬の傷に触れた。 わたしを守ろうとして体にもたくさんその痕が残ってる。 お兄ちゃんは大丈夫だと言ってわたしの手を取るとくちづけた。 「帰ろう、俺たちの家に」 「うん」 銀の狼の姿になったその背に乗って、芝くんの屋敷を後にした。 その5年後。 「うわあ、なんだよこれ!可愛いすぎ!!」 去年生まれたケモ耳の子が芝くんに抱き抱えられてすりすりされてる。 あれから芝くんとは仲良くなってお互いの家を行き来してる。 「将来、俺の嫁にもらう!」 「誰が嫁にやるかよ。絶対にや・ら・な・い」 お兄ちゃんは芝くんの腕から我が子を抱き取った。 こうしてみんなで笑い合えることが幸せで、ずっと続いていくことを心から願った─── 完
みゅ
良かった🎵みんな幸せになれて感激😍
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@りかりー:続き わたしを守るように唸り牙をむく銀の狼に芝くんは、 「来たな」 口の端を上げると、突然、印を結び呪を紡ぎ出した。 胸元から札を取り出して銀の狼に投げつけ、それは火の塊になって狼を襲った。 狼はそこから動かない。 そして気づいた。動けば火の塊はわたしに当たるかもしれない。だから避けないって。 「避けて!」 焦げた匂いがした。 芝くんは次の札で風の渦をぶつけてかまいたちで狼の皮膚を切り裂いた。 血が……足元にぽたりと落ちた。 わたしは硝子を叩いて叫んだ。 「やめて!!」 叫んだ瞬間に芝くんの張った小刀の結界が音を立てて砕けた。 「なっ!?」 驚き目を剥いた芝くんに、銀の狼はわたしの襟を噛むと大きく飛躍して縁側まで跳んだ。 わたしをそこに置くと、銀の狼は一気に芝くんの喉元に噛みついた。 寸前に出されたのは、光る刀身。 力は狼の方が上、狼の鋭い爪が芝くんの肩にくい込んでいく。 くっ、 「縛!!」 芝くんの放った光の呪に銀狼の動きが止まった。 それでも抗う銀の狼から電気が迸ってバチバチと音を立てる。 銀の狼も芝くんも傷だらけになってた。 「もうやめて、お願い!」 駆け寄ったわたしに、銀狼はよろよろと立ち上がり口から血を吐きながらも人間の言葉を紡いだ。 「……ずっとずっと見守ってきたんだ。……みゆは誰にも渡さない!」 銀の狼はわたしを見つめた。 「俺はおまえが小さな頃からずっと……」 「ふざけるな!人間を喰らう妖しのくせに!!」 芝くんが立ち上がって叫んだ。 指で空中に呪を書き光の矢を生み出し銀の狼へと放った。 最後の一撃。 その矢を狼が受ける寸前、わたしは銀の狼の胸元へと飛び付いた。 グシュッ 光が弾ける音がした瞬間、背中が火が着いたように熱くなった。 腕の力が抜けてく。喉の奥から苦いものが込み上げてくる。 「どう、して」 「……いつだって、わたしを守ってくれてたの」 幼くしてお父さんお母さんを失くした時、夜になると朝までそばにいてくれた。 近所のお兄さんに連れていかれそうになった時も現れて守ってくれた。 階段から落ちそうになった時、 海で溺れかけた時、 そして、今。 「……お兄ちゃん、なんでしょう?」 続く
みゅ
ミニ話ありがとうございます🎵続きは、どうなるんでしょうね。気になります。
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@りかりー:目が覚めると狼の姿はなかった。 幻?幻覚? 部屋には優しかった狼の陽だまりの微かな香り温もりが残ってる。 「もうすぐ、みゆの誕生日だな。何か欲しいものはないか?高価なものは買ってやれないけどな」 お兄ちゃんと朝のごはん。 いつぶりだろう?優しいお兄ちゃんが戻ってきてくれたみたいでとても嬉しかった。 「欲しいものはないよ。そばでお兄ちゃんが笑っててくれるんなら何にもいらない」 欲しいものはひとつだけ。 お兄ちゃんとふたり穏やかに過ごしていきたい。 「欲がないな」 お兄ちゃんが笑う。こんなふうに笑ってくれるなら何も。 ごはんを食べ終わると車で学校まで乗せてってくれた。 車を降りると、後ろから声を掛けられた。 この声は…… 「……芝くん」 昨日キスされた。一瞬で体が動かなくなる。 「妹に何か用か?」 お兄ちゃんの眼鏡の奥の眼差しが凍った。 「俺の女を迎えに来て何が悪い」 「俺の……女?」 だめ、それ以上言わないで! 眉を寄せるお兄ちゃんの前で、芝くんはわたしの肩を引き寄せた。 違う。わたしは芝くんと何も。 ハッとした。 そうだ見られてた。お兄ちゃんに…… わたしはお兄ちゃんを振り返る勇気がなかった。俯いたままその場を後にした。 その日の夕方。 お兄ちゃんと夕食を食べながら、 「安倍 芝だったな。あのガ、……あの男はおまえの彼氏か?」 お兄ちゃんの言葉に心臓が跳ねた。 「彼氏じゃ、ない」 「……そうか」 キスされたのに気づいてるのにお兄ちゃんは何も言わなかった。 わたしもどう言っていいのかわからなくて箸を置いた。 その夜、締めたはずの窓が風に開いていたのに気づくと、優しい香りがしてそばに狼が立っていた。 何故か怖くない。美しい毛並みに顔を埋めると包み返してくれた。 その次の夜も狼は部屋にきた。 頬を優しく舐めてわたしの体を包むように丸くなる。わたしが寝入ると夜明け前には戻ってく。目が覚めた時にはいない不思議な狼。 そんな夜が続いて、わたしの誕生日が明日に迫った時、 「今夜はこいつを家に帰さないから。いいよな?センセ?」 芝くんは挑戦的な目でお兄ちゃんの前に立つとそう宣言したのだった。 うそっ!! 後編へ続く
みゅ
いつも、ありがとうございます😄みゅどうなってしまうの?気になる🎵
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ありがとうございます🙇
@りかりー:続き そう言って、起き上がると高ちゃんを引き剥がしてわたしを引き寄せた。 いつも前髪と眼鏡で隠していた顔がすぐ目の前にある。 幼い頃から変わらない香りが伝えてくれる。 記憶の奥底にずっとあった香りを、石段から落ちた祭りの夜にはっきりと思い出したことも。 このまま失ってしまうかもしれないところまできて思い知った。 みんなとの関係が壊れてしまったとしても失いたくないのは、 ───征太郎 あなただと。 「もう我慢しない。たとえ高弘にだってこいつはやれない」 きつく抱き締められて征太郎のシャツを震える手で握った。 「やっと起きたと思ったら、いきなり告りやがって。……初めからわかってたんだよ。征太郎の気持ちは」 高ちゃんは小さなため息を吐いた。 「何年幼なじみやってると思ってるんだ?ふたりが想い合っていることぐらい気づいてたさ。だけどいつまで経っても進展しない。……そうしてるうち、俺の、俺たちの気持ちだけでもわかれよって、な」 わたしは征太郎ばかり見てて高ちゃんの気持ちにもみんなの気持ちにも気づけなかった。 「高ちゃん……」 「そんな表情すんな。ちゃんとフラれて今度こそさっぱりした。だからって幼なじみの絆が消えるなんて思うなよ。俺たちは死ぬまで離れねえからな」 そう言って、高ちゃんは背中を向けて病室から出ていった。 「……高弘の言ってたそれって、俺のことを好きだってこと?」 「ちが、」 ううん、違わない。 もう後悔したくない。失ってしまうと凍えた時に素直になろうと誓ったから。 その想いを込めて、目を閉じた。 少し身動ぎした征太郎が息を飲んだ気配がして、やがてくちびるに熱いものが触れ角度を変えて甘く息をとめた。 「……俺は、ずっとおまえが幸せになれるんなら高弘に託せるって思ってた。だけど違った。夢でも高弘の腕の中にいたおまえを見た時、その宣言を聞いた時、ぶちギレた」 抱き締められる腕に力がこもる。 苦しいほどの強さに小さく頷いた。 「……わたしの好きなのは、征太郎だけだよ」 そう告げた瞬間に、目の前が反転してベッドに押し倒されてた。 「俺はもう我慢しないって、さっき言ったよ」 征太郎は顔を熱くしたわたしを見て、 「やめてって言っても、やめてやらないからな」 楽しそうに嬉しそうに笑ったのだった。 完
みゅ
みゅが、幸せに馴れて良かった🎵ありがとうございました。凄く良かったです😄
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みゅ、ドキドキ💓
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@りかりー:みゅさん、いつも応援ありがとう! お礼にミニ話をプレゼント(*´∀`) 完結編だよ。 わたしは、……幼い頃からずっと一緒の高ちゃんや拳ちゃん、征太郎、直人との関係が壊れてしまうことが怖かったんだ。 だから、無意識に自分の気持ちに気づかないふりをしていたのかもしれない…… そして、誤魔化しきれないほど大きくなった想いは、石段から落ちた瞬間に破裂した。 いつだったろう? 幼い頃に助けてくれたのがその人だって気づいたのは。 だけど、その人は否定し続けた。 それがどうしてなのかずっとわからなかったけれど、なぜなのか今になってわかった。 わたしを守ったことでケガをした傷痕を見て、わたしに負い目に感じてほしくなかったからだって。だから、みんなに口止めして、誰もが教えてはくれなかったんだって。 優しすぎるよ…… こんなわたしを守るために、またケガをしてしまったんだから…… 祭りの夜、石段から落ちたわたしを庇ってくれた人。 いつもわたしの話をそばで聞いてくれた。 隣にいるだけで満ち足りて、わたしにとってはなくてはならない人。 その人を失うなんて、考えたくもない。 「……目を開けて、ねえ」 ベッドに横たわるきれいな顔立ち。 額に包帯を巻いてる下は、わたしが大好きな人の顔。 こんこんと眠りつづけ、まだ意識は戻らない。 「もう2日も経ったんだよ……そろそろ起きて」 声が震えた。 もし、このまま目を覚まさなかったら…… そう考えると、怖くて胸が潰れそうだった。 点滴に繋がれたその腕にそっと触れる。 その腕はいつだって温かくて、何度もわたしを包んでくれた。 それなのに、動かない。 「……お願い、目を」 喉の奥から熱が込み上げてきて涙が溢れてくる。 その腕に涙がひとつ落ちた。 その時、不意にわたしの背後からふたつの手が伸びてきて背中から包まれた。 「おまえが目を覚まさなかったら、みゆは俺がもらうからな」 背中からぎゅっと抱き締められる。 その腕は高ちゃんの、そして声。 「俺に奪われたくないのなら、今すぐ目を覚まして文句のひとつでも言ってみろ!」 これは優しさ。 高ちゃんの、みんなからの想い。 ぴくっ 触れてた指が動いて、瞼が少しずつ開いてく。その口元から掠れた声が聞こえた。 「……ふざけんな。……渡すわけ、ねえだろ」 2枚目につづく
みゅ
誰?早く知りたい❗️2枚目はどこ?
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@りかりー:『白虎と過保護な幼なじみ』の別バージョンです(*´∀`) 「みゅ、ちゃんとベッドに入ってろ。熱が高いんだからな」 幼なじみの慶ちゃんは、わたしを抱き上げてシーツの中に押し込んだ。 「ただの風邪なのに」 「そのただの風邪でよく寝込んでるのは誰だよ。俺がいないと倒れてるだろうが」 慶ちゃんは過保護すぎる。 隣の家に住んでるわたしを妹のように可愛がって、熱でも出すとこの有り様。 「暖かくして寝てろ。おやすみ」 頭をポンポンとすると帰ってく。 ある日、わたしは道で踞っていた白い縞模様の犬を連れ帰って手当てした。 「これ、犬なんかじゃないぞ。たぶん」 慶ちゃんは名前をつけた芝虎(縞模様が虎に似てた)の首根っこをつまみ上げた。 それからしばらくした学校帰り道。 後ろから羽交い締めにされ無理やりに草木の中に引き摺りこまれた。 「や、助けてっ……むぐっ」 押さえつけられたわたしを、 ガルルル 大きな白いものが跳んできて目の前の男をひと噛みして助けてくれた。 「俺が助けに来なかったらヤられてたぞ」 驚くわたしの前で大きくなった芝虎はどうみても人間の青年の姿に変わってく。 月に照らされた姿は芝虎と同じ…… 「見てるだけなのはやめた」 獣の眼差しに見据えられ、わたしの意識はそこで途切れた─── ※※※ 「ウソ……だろ?」 目が覚めた時、慶ちゃんが部屋のドアの前で、こぼれるばかりに目を見開いていた。 「おまえっ!何をした!?」 慶ちゃんは駆け寄ると芝虎からわたしを引き剥がして後ろに庇った。 慶ちゃんに青年の素性を話すと不機嫌な顔をされた。 「芝虎、くっつきすぎだ、離れろよ」 「やだね。こいつは俺のだ」 芝虎と慶ちゃんはわたしを挟んで言い合いしてる。 慶ちゃん、もしかしてわたしのこと……? 「ああ、好きだよ。好きに決まってるだろ。ずっと前から」 耳を赤くする慶ちゃんの思いがけない告白に胸の中が熱くなる。わたしだけが片思いだって思ってたのに。 「誰が好きでもない女の世話を焼くんだよ」 慶ちゃんが芝虎からわたしを奪い取り鼻を鳴らした。 大好きな慶ちゃん。いつだってわたしの特別だった。 「わたしも、す」 好きと言いかけて、くちびるは慶ちゃんのそれに塞がれた。 「いつか、おまえの大事なものもらうからな」 完
みゅ
ありがとうございます🎵みゅは幸せです💕
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大変な思いをして、書き上げて頂きありがとうございます🙇本当恥ずかしいんですが、還暦を迎えたおばさんです🎵でも、りかりーさんの小説で、若がえってます。😍小説中だけの中で輝かせていただいたので、大満足です🎵後はすべてりかりーさんにお任せします💕
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いや、このままで、言われてみたい言葉ですね🎵いくつになっても、こんな風に言われたらドキドキします🎵このままで、お願いいたします🙇
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とんでもない、もう、最高😃⤴️ドキドキ感があり、思いが届いてもう、何て言って言いか嬉しい🎵😍🎵遅い時間にすみません😢⤵️⤵️ありがとうございました🎵
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すみません😣💦⤵️今見つけて読みました🎵もう、感動ドキドキ💓嬉しい🎵ありがとうございました🙇これからも、楽しみにしてます💕
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@りかりー:後編の2枚目です! 届くでしょうか? 『オタクの恋』後編の2枚目 うそ…… 転がっていた棒を掴むと、清四郎はわたしを押さえつけてた佐藤くんを振り飛ばした。 後のふたりが飛び掛かり清四郎の背中を羽交い締めにする。 どうして……ここに? もしかして助けに来てくれたの? 3人を相手になんて無理に決まってるのに。 逃げて!でないと清四郎がやられちゃうっ!! 「ゲーオタをナメるなよ!」 叫んで背中のふたりを振り払う。 横から殴られて清四郎のくちびるが切れて朱が滲んだ。 そのくちびるを拭うと、相手に拳を鳩尾に叩き込み廻し蹴りで地に沈めた。 ハアハア 息を荒くして清四郎は滴る汗のまま、わたしの前にしゃがみこむと猿轡をほどいてくれた。 涙目で見上げるわたしを清四郎の腕がそっと包みこむ。 「……俺から、離れるな」 「せい、しろう……?」 混乱してどうしていいのかわからなくなる。 清四郎の熱い吐息が耳に触れて小さく震えた。 「俺にはみゆだけいればいい。見た目が変わったからって寄ってくるような女ならいらない。……いらないんだ」 懇願するような声。 わたしを抱き締める腕に力がこもった。 「……だって、だって、清四郎には好きなひとがいるって」 わたし聞いて知ってるよ。だけど─── 「……ホント、に?」 涙が溢れて止まらない。 清四郎の言葉が胸の奥に染みて想いが競り上がってくる。 「ああ。おまえが好きだ」 柔らかい眼差しが降ってきて、浮かんだ涙を清四郎の指先がそっと拭った。 「………わたし、好き、って、……言っていいの?」 ずっと一緒にいるものだと思ってた。 だけど、清四郎には好きな人がいるって聞いて、……わたしだけが淡い想いを抱えてたんだってショックだった。 だけど、清四郎の恋を応援してあげたくて…… わたし、好きって言っていいの? 清四郎のそばにいていいの? 「おまえじゃなきゃダメなんだ。今までもこれからも俺の隣にいるのはみゆ、おまえだけだ」 低くだけど甘さを含む声。 清四郎の指がわたしのくちびるに触れた。 「わたしも、……好き。清四郎が、好き」 瞬間に、清四郎のくちびるが重なった。 息ができないほどの想いが流れ込んでくる。 「やっと、……つかまえた」 わたしの初めては全部、目の前の清四郎に━━━ 完
みゅ
届きました🎵思いが届いて良かった🎵
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@りかりー:みゅさん、いつも応援ありがとう! 忘れずに通ってくださって感謝です! 『オタクの恋』後編の2枚目のうちの1枚です(*´∀`) 『オタクの恋』 オタクで冴えない清四郎をイケメンに変身させたのはいいけれど、女の子に囲まれた清四郎を見るのはモヤモヤ…… そんな時、いきなり拐われて─── ※※※ 「……教室に、まだ帰ってきてない?」 清四郎は教室のみゆの机の上のカバンを横目に、纏わりついている女たちを見下ろした。 誰かに呼び出された後、もうかなり時間が経っている。 「ねえ清四郎くん、カラオケ行こうよ。新しい店、結構評判いいんだよ」 「それともクラブの方がいい?」 わざと話を反らす彼女たちの組んできた腕を振り払った。 その瞬間、彼女の握ってた携帯が床に落ちて画像が見えた。 それは猿轡を噛み、手足を縛られ床に転がされたみゆの姿だった。 なっ…………!? 拾い上げると、さらにもう一枚の画像が送られて来た。 それを見た瞬間に頭の中でブツリ何かが切れた。 「おい!この場所はどこだ!!」 ※※※ 「……ぅ」 気がつくと手足が縛られてて、口には猿轡が噛まされ床に転がされていた。 手首の縄を外そうとしてもがいたら赤く擦れて血が滲んだ。 頭が重くて働かない。ただ早く逃げないとと焦りだけは増してく。 焦るわたしの前に、ガチャッと音がして鍵を開けて室内に入ってきた男ふたりの後ろには佐藤くんがいた。 佐藤くんたちは薄笑いを浮かべてわたしを見下ろした。 「へえ、なんだ意外と可愛いじゃん。ラッキー!」 「俺が一番最初だからな。後はふたりの好きにしていい」 こわ、い……清四郎、たすけて…… 近づいてくる佐藤くん。足の縄をほどかれてずりずりと壁に下がるわたしを上から押さえつけた。 スマホでわたしの姿を写して嘲笑ってる。 「動画だけじゃなくて体にも口止めしとかないとね。後で騒がれてもイヤだし」 胸のシャツを乱され、スカートの脚を開かされ佐藤くんの体が割ってくる。 「……や、ぁっ!」 声にならない悲鳴をあげた。 その瞬間、 バキッ 鍵が掛けられていた戸が蹴り破られた。 「そいつに、触れるんじゃねぇ!」 荒い息を繰り返しているのは、泣きたくなるほど大好きなひとだった。 2枚目に続く
みゅ
ドキドキする💕
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@りかりー:みゅさん、いつも応援ありがとう!お礼にミニ話をプレゼント(*´ω`*) 『オタク大変身!?』 目の前のオタクの厚ぼったいメガネを取ってコンタクトにした。 鬱陶しい髪はわたしが思いきって切った。 よれよれのYシャツはアイロンを当てて用意した清潔なものと取り替えた。 「よし!とりあえずはこんなもんかな?」 ゲーオタの名前は清四郎。 生まれた時からの腐れ縁で、お互いの初恋の子まで知ってる隣の家の幼なじみ。 「清四郎、ちゃんとおしゃれしたらイケメンだよね」 「俺は別にモテなくていい……」 清四郎は鏡を見て興味なさそうに呟いた。 それからすぐにみんなの清四郎への反応が変わった。そしてわたしへのみんなの目も。 影口なんて慣れてる。 だけどエスカレートして剃刀の刃が入っていた手紙や足を引っ掛けられたりするのは辛かった。 「みゆ、その指ケガしたのか?」 「ちょっと包丁で切っちゃって」 指を隠しながら答えると清四郎は眉を寄せた。 勘の鋭い清四郎には知られたくない。それよりも聞いたの。清四郎の好きな人ってどんな女性? 「それもあいつらにやられたのか……」 清四郎の相手のことを考えてたら清四郎の呟きには気づかなかった。 「あのね、清四郎、……その、清四郎の好きな女性って、わたしの知ってる女性……?」 「……まあ、そうだな」 「教えてって言ったら教えてくれる?」 清四郎からの返事はなかった。 これって教えてくれないってことだよね……? 清四郎はふっと口の端を上げたら先に玄関にに向かっていった。 数日後。 わたしの机の中に隣のクラスの佐藤くんからの手紙で、話があるからと呼び出された。 放課後、裏庭に行くと飲み物を手にした佐藤くんがいて、隣に座るとわたしに片方差し出した。 「ごめん、呼び出したりして。実は君のこと前から気になってて僕と付き合ってもらえないかと思って」 それは突然の告白だった。 びっくりして慌ててコーヒーを口にして誤魔化した。 あ、れ? 急に頭がぼわーっとして眠気が…… 力が入らなくなって紙コップが足元に落ちた。 「悪く思わないでね。これも彼女のためだからさ」 寄りかかった頬を撫でられて声が出ない…… 暗くなってく目に最後に見えたのは、わたしの唇に触れる指だった。 ……清四郎、助けて それきり意識がなくなった───
みゅ
キャー、みゆはどうなってしまうの気になれる🎵続きお願いいたします🙇
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@りかりー:みゅさん、いつも応援ありがとうございます(*´ω`*) お礼にミニ話をプレゼント! 【若恋】完敗 さらさらと、桜の花びらとりおさんの少し癖のある黒髪が風に舞っている。 「榊さん、見て!桜、とてもきれい!」 桜を見上げるその柔らかい眼差し。 桜舞う風の向こうには若がいて、その隣には若の見合いの相手がいる。 組長が乗り気の縁談相手だ。 その見合い相手より、若は桜を見上げるりおさんの姿を目で追っていた。 『命令だ、榊。奏からその女を引き離せ。いくら奏の命の恩人だと言っても所詮住む世界が違う』 組長は気づいていた。 若に芽生えた小さな想いに。 それは組の未来を考えればいずれ邪魔になることだと。そして自分の心の揺らぎにも。 だから自分に振ったのだ。 けれど、若の想いを踏みにじることだけはできなかった。 『そうか、わかった。この話はもういい』 その後、若が見合いを断り破談になった時、組長が深いため息を吐いた。 それからしばらくして。 りおさんを迎えに行ったファミレスで、口をつけただけの飲み物がそのままになっていたるのをみつけた。 何かがおかしい。 テーブルの上を見てひどい胸騒ぎを覚え、 「まさ、か」 店の裏口から飛び出した。 その横をタイヤを鳴らして急発進してく車が通りすぎ様、りおさんの姿が! その隣には見覚えのある男が座っていた。 「……りおさんっ!」 脇を走り抜けてく車を愛車に飛び乗ると追いかけた。 車は見失ったが、行き先は予想できた。 大神本家の門をくぐって車寄せに停め、 「榊さま、お待ち下さいっ!」 押し止めようとする男たちを無視して、奥座敷に座る涼しい表情をした組長の前に立った。 「りおさんをどこに連れて行ったんですか」 「……なんのことだ?」 「とぼけても無駄です。あなたが関わっていることはわかってます」 組長の顔が歪んだ。 「なら、好きなように探せ」 広い屋敷の中を探し回る。 一番奥の薄暗くなった部屋に入ると、誰かがゆらりと立ち上がった。怒気と殺気を隠しもなく振り返る。 「……若…?」 その腕に抱かれていたのはりおさんだった。 気を失っているりおさんに若がそっと頬を寄せた。 「親父、……二度目はないからな」 去っていくその姿を、息をするのも忘れて立ち尽くし見ていた。 「………完敗です。若」 【完】
みゅ
素敵なミニ話ありがとうございます🙇奏カッコ良いわ🎵
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@りかりー:みゅさん、こんばんは! 毎日、たくさんの応援ありがとうございます!お礼にミニ話をプレゼント(*´ω`*) 『オレ様のシモベ』ふたりきりの夜 夕方から降りだした雨が強くなって、庭の木が風で揺れる音で怖くて眠れない。 今夜はお父さんもお母さんも親戚の法事に出掛けてていないのに…… 枕を抱き締めて震えてると、空が光り雷鳴が轟いて、一瞬にして辺りが真っ暗になった。 こ、わいよ、零ちゃん…… 声が、出ない。動け、ない。 手も足も震えて、枕と一緒に握ってたスマホを落としてしまった。 暗いと息ができなくなる。 幼い頃、どもって口のきけないわたしは学校でロッカーに閉じ込められて出してもらえなかった。その恐怖は今も残ってる。 体を丸めて耳を塞ぎながら、ぎゅっと眼を瞑った。 「……ふみ」 窓から強い風が吹いて、濡れた何か温かいものがわたしを包み込んだ。 少し低くて普段は冷たい声。濡れた体からはよく知ってる香りがした。 震えて声にならないわたしに、スマホの薄明かりの中、零ちゃんの濡れた前髪とわたしの額がゴチンとくっついた。 「ゆっくり、息をしろ」 息ができなかったわたしが息をすると零ちゃんがため息を吐いた。 「さっき、夜食を作りに来いって言っただろが。まったく。オレ様を無視しやがって」 「違、うの。作ったの。……でも、持っていけな、くて」 机の上には零ちゃんの好きなたまごサンドとサラダとココア。 「だと思ったから来てやった」 零ちゃんからすっと明かりが漏れて。机の上にキャンドルが灯った。 零ちゃんが隣に座ると夜食に作ったたまごサンドを摘まんで口にいれてく。 「れ、零ちゃん……濡れてるから、タ、タオル」 零ちゃんの髪をタオルで拭こうとして、 ピカッ 空が真っ白になった。 「きゃあっ!」 気がつくと震える手で零ちゃんのシャツをつかんでた。 ドキンと鼓動が跳ねた。 キャンドルの灯りが揺らめく中、零ちゃんが涙目のわたしを見下ろしてる。 「ふみ……」 零ちゃんの胸もドクンと音がした。 零ちゃんのキレイな顔が近づいてきて、 (1000文字じゃ足りなくて……2ページ目も送ります!)
みゅ
ミニ話しありがとうございます🎵
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@りかりー:みゅさん、おはようございます。 りかりーと申します。 2月後半の応援特典のミニ話2枚目が届いてないとのことで失礼しました。 これからもよろしくお願いします(*´ω`*) 蒼銀の恋~銀~(2月前半に送った特典は削除してね。こっちが作り直した本日2枚送った2枚目です) 「や、やめてくださいっ!花を踏まないでっ!」 たくさんの花がばら蒔かれ男の足に踏まれた。 その花を彼女が震える両手で抱え上げた。 「オレたちはこの店を売ってもらえりゃそれでいい話なんだ。あんたにとっても悪い話じゃないだろ?金ならいくらでも出すって言ってんだから」 「このお店は、父と母が遺してくれたものなんです。売るなんてできません!」 彼女が突っぱねると、また花がばら蒔かれた。 花を守ろうとした彼女を男が蹴飛ばした。 転がる彼女……俺には関係ない。 関係ない。だが。 グァルルルル!!ガウッ!! ふたりの男に飛び掛かった。 『二度とこの店には近づくな!もし姿を見せたら今度こそその喉笛を噛み切るぞ!!』 「い、犬が、犬が人間の言葉を喋ったぁ!」 パニックを起こした男ふたりは転げるように走って消えてった。 その無様な背中を見送り、 変化して人間の姿になった。 「驚かせて悪かった。どうしても見過ごせなかったんだ。あんたが手当てしてくれたおかけで動けるようになった。礼を言う。……俺はすぐにここを出ていく。だから」 彼女を振り返ろうとして、背中のシャツをつかまれた。 「……おい?」 震える手、小さな涙声がした。 背中に聞こえたのは、ありがとうと感謝の言葉。 そして、そばにいてと引き留めるぬくもり。 「化け物だぞ、俺は」 彼女は首を横に振った。 「……いつか本当の化け物になるかもしれない。それでも?」 離れない手が答え。 それが心を揺らした。 「……おまえは、温かいな」 ふたりの物語は始まったばかり……
みゅ
おはようございます。ミニ話ありがとうございました。続きが楽しみです。
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凄くいい(〝⌒∇⌒〝)もう、今からドキドキです
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