布原夏芽

近すぎるゆえの疎ましさと、家族に対するあたたかさ。
家族だって他人なんですよね。言葉は悪いけれど、異物。どうしても許せないことってあるし、悪いところが目につきやすいのが家族なんだと思いました。その中でも、癖というのは悪気がないだけに厄介ですね。 習慣になってしまうと自分や身内では自覚しづらくて、当たり前だと思っていることが実は相手に不快感を与えていたと気付かされるのは、やはりショックなことです。 それが一方的に被害を受けているのではなく、お互いに迷惑しているという構図が良かったです。自分がモヤモヤしているときは、相手も自分にモヤモヤしていると考えなければいけないのかもしれません。 義実家での同居なら、もっと悪意のある話にもなりえたのに、作中には互いを思いやる気持ちが満ちています。 外では反感を買っても思ったことを口にする和也に指摘を躊躇わせたのは、たぶん義父の人柄の良さなんでしょう。 明るく愛嬌があって憎めない相手だからこそ、言い淀んだり思い悩んだり。 近すぎるゆえの疎ましさと、家族として大切に思う気持ち、両方が交互に去来する深みのある作品でした。
2件・1件
布原さん、ありがとうございます!長めのお話を読んいただき、ご感想まで…感謝の気持ちでいっぱいです! モヤモヤは心の中にあって、見えないからこそ、モヤモヤして。それをうまく伝えることに、かなり苦戦しました。 でも、良かったです。いただいたご感想から、全部伝わったんだなぁ、汲み取っていただけたんだなぁって。そこに嬉しさと、感動と、ホッとした気持ちを感じています(^。^) きっと誰にでも言いにくいことがあって、言いにくい相手がいて。近ければ近いだけ、そのモヤモヤは大きかったりします。相手がいい人、優しい人とわかれば、その分、やっぱり言いにくくなったり、逆に許せてしまったりしますよね。 なんか、

/1ページ

1件