鵜木曽 銘

これはまさに動機当て
バスで一区画だけ乗る奇妙な男子生徒は、なぜそのような行動をしているのか、という、いわゆる「ホワイダニット」のオーソドックスな問いの立て方だったと思います。問いの立て方がよかったと思います。ミステリにおいて、起きていることが異常である、というのは読者をひきつける大きなポイントになるだろうからです。例えば、「なぜ命を奪ったのか」という問いよりも、「なぜ命を奪った挙句丁字路で磔にしたのか」という問いの方が異常性があり、面白い問いになりやすいでしょう。この点で、今回の作品の問いはよかったと思いました。そして探偵役ですね、小柄な子で六法全書を読んでいるというなかなか味付けの濃いキャラですが、その分探偵としての資質は十分にあると思いました。ずばずばとものを言っていく性格もよかったと思います。
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