YUKIMU

現時点での感想
 現在公開されている部分を拝見しました。気になるところと良かったところがいくつか見つかったので、率直に提示します。  主人公のサラからは少々不安定な印象を受けます。両親を亡くし、大人の都合で生活を変えなくてはならなくなったのでストレスも感じているでしょうし、十六歳の少女として自然な反応でしょう。しかし、ワゴンガールに冷淡な態度を取ったり叔母さんに不満ばかり感じているのはいただけません。このままでは率直に言ってサラは嫌な女の子に見えてしまうと思います。叔父さんと過ごす中で肉親への優しさを見せるなどしていかないと、少なくともかわいらしいヒロインには見えないでしょう。たる様がどういう女の子をイメージしているかによるので、あくまで一読者の個人的な好みと捉えてください。  この作品は北欧を舞台にしているようです。しかし、それがわかるのが地名だけというのは物足りないです。北国らしい寒さや薄暗い雰囲気を感じることはできましたが、それがノルウェーの風景には見えませんでした。風景描写はもう少し踏み込んでほしいと思います。オウシュウトウヒという植物が風景描写の役割を担っているようですが、私はこれを最初花だと思いました。写真を見ましたが、細身の針葉樹など一言あればわかりやすかったです。いずれにせよ、ベルゲンにせっかく来たのだから、もっと街を歩くなどしても良いと思います。読者にとっては強引だけど憎めない恩人の叔母さんの人となりを知るチャンスです。そしてサラのツンツンしていない部分があるなら知りたいところでした。  細かい点ですが、最初の段落を一字下げているところと下げていないところが混在しているのが気になります。私には読みづらかったです。  深い意味を感じさせるタイトルや、灯台に対する思い入れ、十五歳以上年の離れた異性への恋慕の行方など、楽しみな要素はたくさんあります。列車の中の描写や重厚な屋敷の佇まいなど、意外さや面白さ、雰囲気の良さを感じることができました。まだ始まったばかりの作品なので、叔父さんの人間的深みやサラのかわいらしいところ、北欧という日本とは違う環境での暮らしなど、読者として知りたいところはたくさんあります。少なくとも私はそれらを期待します。  最後になりましたが、相互レビューの申し入れありがとうございました。更新がんばってください。

この投稿に対するコメントはありません