Takehiko

胸の奥がきりりと疼くような短編
卒業というのは、歓びと共に何かしら物悲しい胸の痛みを伴うものだ。 新たな場所への希望と夢の代わりに 喪われ、消えてゆくものもまたあるからだと思う。 そして教師というのは、 自分が持てる知識と知恵という大きな翼を与える代わりに 遠い思い出の中のひとつとして過去のものになる。 だがこの物語の運命は、一途で誠実なひとりの登場人物で こんなに暖かな卒業の話になっていく。 狂言回し役の語り手の「チョコ」さんもとても魅力的だ。 大らかでそれでいて世話好きで、どこにでもいそうで おそらく読まれた方は、 自分の中にある「チョコ」さんを思い浮かべるのではないだろうか。 流石ですね。 澄んだ青空に満開の桜を臨むような 心地よい読後感でした。
2件・1件
ありがとうございます。 書き手として自信を失っている最中、約束を守る理由で書きました。読み返してみるとかなり足りない薄味な印象を受けてしまいますが、過大な評価を頂けて少しホッとしています。
1件

/1ページ

1件