“人間性が根本的に美しい”作風を存分に発揮した一途な女性の一生を描く短編時代小説
主人公幸与、何て美しく謙虚な女性なのだろうか。  しっかりと時代考証され創り込まれた本作は、短編という中でも読者がまるで幸与の人生を稲荷神社の空の上から見守り、祈るような気持ちにさせられます。 裕福な家に生まれ、教育を受けたにも関わらず没落し戦争の時代の渦に飲まれ少女幸与は娼婦になる。    女性読者という立場から、何度も考えたのは、一家が滅びた時、名家の生まれでありながら娼婦となり最初の客を取った時、ダニエルが帰って来なかった時、どれほどの辛い気持ちで幸与はいたのかという事でした(ダニエル身請けしてよ!!と心の中で叫んだ)  私が幸与であれば絶望した上に諦念の中、帰らぬダニエルを怨むかその程度だったと自分の愛の記憶さえ割り切り自分で踏みにじり自棄になり生きるかもしれない。 その上ダニエルと別の女性が結婚しアーサーが現れた事で老身にとどめを刺され、そのまま羅生門の鬼婆の如くショックで転がり倒れるという醜態を晒したに違いありません。まさに誰かこいつをサムバディヘルプです。 だけど、幸与が呟いたのは、一貫した『感謝』  自分を救ってくれた、愛してくれた、想ってくれた、、常に幸与は健気であり、ピュア。  ダニエルに決して背中を見せず手を振り続けたり、売春宿の優しい女将さんにもずっと感謝、“悪いのは戦争”、、、と、何て聡明で奥ゆかしく、かつ謙虚で純粋なのだろうと、本当に幸与は愛する人をして彼女に名付けしめた、名の通り幸せを与える春日野の可憐な梅の花そのものであり、 アーサーが遣わされたのは一途にひたむきに生を諦めなかった彼女へ稲荷神社の神が救いを与えたようにしか思えませんでした(大変な彼女の一生を稲荷神がずっと見守っているように感じました。) それを“救い”と感じられる事自体、幸与の人柄が感謝に溢れた謙虚な人柄だったからこそに相違ありません。 88はきっと一生懸命に生きた彼女のエンジェルナンバー。 彼女が動乱の時代を現代でも長生きと言われる年まで一心に生きたのは、ダニエルに逢いたいという一途な気持ち、それだけが支えていたのだと思います。 拝読もでしたが感想を描きながらも涙が出ます。 まだまだ描きたい事があるのに千文字越えたので止めますが、どこを取っても感動の涙がしか出ない、このような良作を読ませて頂き有難うございました、これからも作者様を応援しております!!
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なんて素敵な感想を! 涙してしまいました、ありがとうございます🙇 感謝してもしきれません! 作品以上の感想を頂けて、私は本当に読み手に恵まれているなと思えます。 心から感謝いたします🙏 重々ありがとうございます❗
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感想を送らせて頂き、有難うございます!! 拝読してすぐに送りたかったのですが、好きな作品にはしっかりと感想を作り送りたかったので遅れてすみません🙏💦 まだまだ描きたかったので千文字越えて気付いて、感想に千文字は少ないと感じる位の深い作品だと改めて思いました(*´ω`*) また描き切れなかった感想は別個に送らせて頂くかもしれません、こちらこそご返信有難うございました!!
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