始まりはただ、子供らしい勘違い。
タイトルのままです。 誰にでもある、子供ながらの勝手な推測と予想で、本来とは全然違う方向性へと理解する。それは最終文、むしろ説明文に集約されるのですが、それに向かうまでの文章が本当に素晴らしい。カギ括弧による分かりやすい台詞なんてないのに、何故かその場の空気や声や音や匂いが感じられるようです。 最後に、前述した『集約される』ところの文章に特に惹き込まれました。 説明文で既に出されているというのに、いや、だからこそ、すんなりと入ってきます。勘違いを指摘された羞恥、それを誤魔化した笑い、フォローされた時の何とも言えなさ。それを全て内包しての「ああ、」が本当に良かったです。夢見ていた子供から、ひとつ大人への階段をのぼったような、残念なような、嬉しいような。同時に下校時の夕方になりかけの薄青の空を思い出しました。ふと空を仰いだような感覚になりました。 とても素敵な物語をありがとうございます。
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感想ありがとうございます。お返事遅くなってしまって申し訳ありません……。 誰しもが幼少期に経験したであろうあの気恥ずかしさや、それからくる宛てのない苛立ちをどう表現したらいいかなと考えながら書いた掌編だったので、こうして丁寧に読み解いていただけて本当に嬉しいです。 「ああ、」についても、入れるかどうかについて非常に迷った一言だったので着目していただけてとにかく嬉しく感じました。 丁寧な感想、心から嬉しいです。ありがとうございました。
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