「添え木」 2:「多頭飼育」 ・言ってしまえば「多頭飼育の意味の重複って面白いな」と思って、おふざけで書いた掌編ではあります。けれど、全く思い入れが無い作品と言うわけではありません。かつてたった一日だけ体験出勤して(責任の重さが私には担いきれなかったので)就業するのを諦めたアルバイトに殺処分直前の保護犬猫のお世話をするアルバイトというのがあって、そこで聞いた「毎年送られてくるそっくりな犬たちと、それを送ってくる老爺」の話が物語の根っこにあったりします。無責任な多頭飼育の背景にあるのは悪意でも放埓な責任感でも無く、人のどうしようもない「さみしさ」であるケースは多いようです。悪事をする人間を庇うつもりはないですが、弱い者の味方であれというのは、あるいは芸術家のあるべき姿だというのは太宰が「畜犬談」でも言う通り。肯定はしないけれど、石を投げずにただじっと見て、それを作品として昇華するのが、あるいは求められていることなのではないか、と。 余談ですが、逃げた「いぬ」たちはある場所の門番と呼ばれている存在達です。つまりその数だけ門があるわけですが、物語の中の世界はどうなってしまうのでしょうか....! 424字。階段を登り終えるまでには読み終わります。 https://estar.jp/novels/25774351/viewer?page=2

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