りかりー

いつも応援ありがとうございます。 『狐の妃候補にされました!』1 「高校卒業後の進路かあ。はぁ……どうしよう」 わたしは進路用紙を手に、何度もため息をついた。 親代わりの叔父さん叔母さんには、両親が亡くなってからお世話になりっぱなしだった。大学の学費まで負担を掛けたくない。 叔父さん叔母さんのことだから、『大学は出なさい』って言うに決まってる。 だけど……わたし知ってるんだ。 叔父さんと叔母さんの事業がうまくいってないこと。 高校卒業後は働いて、せめて恩返しが出来たらいいなって思ってるんだけど。 そんなことを考えながら歩いてたら、ふと足が止まった。 足下に何かが転がってる。 キラッと光る何か。 しゃがんで手に取ると、それは綺麗な琥珀色の宝石がついた指輪だった。 誰かが落としたのかな? 周りを見ても誰もいない。 拾って指輪を見ていたら、突然、指輪から強烈な琥珀色の光が弾けて、眩しくて目が開けていられない! くらっ 目眩がして座り込む。 光が徐々に萎むように消えた。 『なんだ?突然。おまえは何者だ?』 低くて険のある声が聞こえた。 声は下から聞こえ、向くと、目玉が落ちそうになった。 そこには頭の上に獣耳を生やした青年がいたからだ。 服はなんて言うんだろう? 平安時代のような直衣?狩衣? その後ろからはふさふさとしたたくさんの尻尾が揺れてて。 わたしはその人を下敷きにするように座ってた。 『どうやってここに入った?この結界の中には誰も入れないはずだが?』 は?結界?ここどこ? 地面に座り込んだはずだったのに、どこかのお屋敷の中にいた。 「答えぬなら答えられるようにしてみせようか」 視界がぐるりと反転した。 押し倒されたと気づいた時にはもう両手首が押さえつけられていた。 そこまでされてやっと事態が飲み込めてきた。と、同時に顔が強張った。 震えてくる。 頭に獣耳、尻尾がたくさん揺れて…… 人間じゃない、それなのに人間の言葉をしゃべってる。 怖い。押し倒されて何をされるのか、怖い、ここ、どこ?悪い夢でも見てるの? 『おい?どうした?……は?おいっ!?』 頭の中がぐるぐるして目眩が酷くなる。 「う、うえっ……」 『うわっ!?よせっ!!』 獣耳、尻尾の青年の慌てた声を聞きながら、わたしの頭の限界を超えて口から魂が出た。 何がどうなってるの……?
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ありがとうございます! 続きも楽しみにしてます。
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