三村 薔

悪があるところ
はじめさんはこういう、寓話っぽいものがお得意ですよね。 悪とは自らの内にあるのだと、そんなことを言ったのは『蠅の王』の作者だったっけな。この物語もそのとおり、(真実の捉えられない闇として)目に見えるわかりやすい悪にばかりとらわれ、自らの内の悪に気づかない人たちの物語でした。 ファンタジーとしての背景・世界観設定が、作中世界の社会の歪みであります。心の内に悪ができる原因を補強している。 人間とはあくまで、白でも黒でもなく、0でも100でもなく、光でも闇でもないのだと、そういう人間観でありたいものです。 面白かったです。ありがとうございました。
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ご感想ありがとうございます、三村さん! こういう方面を考えるようになった影響、間違いなく幼い頃に見た劇団四季さんのこどもミュージカル『桃次郎の冒険』なんですよね。桃太郎が、実は鬼にとっては悪だったかもしれない……そんな物語に、思いきりがつんと頭を殴られた気分になったのです。以来、そういう“正義は一つではないのではないか”ということを常に考えるようになりました。 悪魔は誰か?それは誰もの心のうちに存在するもの。 少しでもそういったメッセージが伝わったのであれば何よりでございます!
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