嶋十繭

近頃。練習がてらちょっとしたエピソードをSNSのほうでちまちま書いたりしています。文字数制限の中で書くのは新鮮ですね。 どのような媒体で物を書くのが自分として心地よいのかまだ模索中なので、試験的に1000文字という懐広さを持つこのつぶやきの場をお借りして掌編を投下。(Twitter再掲です) ──────────────  うちの木造平屋建は古くて広いので冷房の効きが良くない。 「ミル。もーちょい涼しくなんない?」 「これが限界。ひとんちで文句言うなよ」  ぼくは平気だけど暑がりの友人には堪えるらしい。ぼやきながら汗を拭っている。でも造りの問題なのでどうしようもない。 「二月君、こちらへ」  せめて水出し茶でも淹れようかと思ったその時。現れた家主の万世先生が、彼を部屋の隅へと引っ張っていった。 「あれっ。ココ涼しい!? クールスポットあんじゃん!」 「ええ。"定位置"ですので。そこが」  我が友の背後で背広姿の地縛霊がしずしずと会釈した。 数多町七十刈探偵舎 『家賃三万円霊暖房完備』(終)
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