T.I.

三章読了にて
三章に関する感想です。 一章、二章を読んだ時点でこの物語に出てくる登場人物はみんな誰も喜怒哀楽がしっかりと描かれているなという印象でしたが、三章に関しては、特にその過去一、二章に登場した人物達の「楽」の部分が冴え渡っていたように思います。 勝手にキラキラカードのチラシを作るあの親父に、素っ裸でお風呂から上がってきて電話口でおっかない声を上げるあの旦那……主人公・亘の胸の中でのツッコミも相変わらず冴えています。 もちろん、今回の話のメインの登場人物である遠山佐枝の話もしっかり読み応えがあります。 仕事の依頼の場面での様子、亘から報告が上がってきた後の感情、その後の行動など、亘目線の最低限の情報でも、しっかりとその性格が伝わってきたように感じます。 また、今回も、前回と同様に、事の原因にはきっちりと、かつ今回は亘自身の手によって、落とし前をつけてくるところには、作者自身の書きたいことをしっかり書き込んでいるなという印象です。 伝え聞いた話によると、この三章は、その先の話のお膳立てのようなものだとのこと。 この先は、ガラッと変わってシリアスになっていくというので、物語全体のトーンがどのように変わっていくのか、とても楽しみです。 この先も、一つ一つしっかり読み込んでいこうと思います。
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