柚木ハッカ

とにかく(ハードボイルド好きは)最後まで読むべし
朝田ハルキは友人遠藤ヤマトと北園エイコと共に、本当に偶発的な事件に巻き込まれる。それはどう転んでも彼らを地獄へ誘うものだった。そんな中でエイコは最も悪手な選択をしてしまう。突然の出来事に動揺したヤマトは自分は関係ないと去ってしまう──ところがそれから暫くしてヤマトの見るも無惨な惨殺死体が発見される。それを知ったハルキは自分を守るために銃を手に入れる。そしてまた事は動き出していく──という始まりです。 この作品はハルキがどう闘って(攻撃は最大の防御)いくかというお話なんですが、そう書いてしまうとハルキの成長の話みたいに感じますが、そうとも言い切れないのがこの作品の特徴かもしれません。 とにかく最初は混乱します。『え?なんで!?』何度そう言ったことか。現実なのか妄想なのかの境目が微妙になったり、理解不可能な理不尽さが二人を襲います。読んでて軽く意味が分かりません。 しかしハードボイルド好きならそこで諦めてはいけません。そう、後半全てが明らかになるからです。 リアルな銃の描写、闇社会のビジネス、裏社会の掟、そして裏切りに次ぐ裏切り。軽く人間不信になりそうですが笑、そんな事はどうでも良くなるくらい手に汗握るどんでん返しの連続と種明かしが待っています。 ただ小説というものにモラリズムを求める人やヤマトの死体で既に無理と思った人は、そっ閉じすべきです。たぶん続きを読む事は不可能ですし、この作品の良さを理解する事は出来ないでしょう。 読み手にもタフさが求められるというなかなかに硬派な作品です。 世の中は理不尽なことばかりです。それでも生き抜いていかねばなりません。そうすれば一筋ではあるが光を見出せるという結末であることだけは、ここに書いてもいいかなって個人的に思います。 あとエイコのキャラを最後まで好きにはなれませんでしたが、そんな女だからこそハルキは手放さなかったのかもしれませんね。そこは何となく納得出来ました笑。
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最後まで読んでいただいた上に、こんなに熱い感想までいただけて本当に嬉しいです。感謝感激です。本当にありがとうございます😂 この作品には善人や立派な人間など一人も出てきませんが、登場人物たちは敵も味方も皆、生き残るために死力を尽くします。裏切り、騙し合い、欲望、暴力、そして、銃。こんな暗黒世界は無理と思われる方も多いと思います。しかし自分自身と仲間を信じて戦い抜いた者にしか辿り着けない世界というものもまた確かに存在する。私はそう信じています。 柚子ハッカさん、オートマチックを読んでくれて本当にありがとうございました✴️ (*゚∀゚*)
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