鷹取 はるな

両片想いの行方
(以下、エピソードタイトル「千影と涼夜」と、「とある一日の始まり」の無印とSide:涼夜とを読んでの感想となります) 「千影と涼夜」との冒頭、「遅刻まであと、23分」と記されています。 千影にとっては最初から遅刻ありき、――とっくに織り込み済みなんですね。 「チカが起こしに来てくれたら起きれる」と甘えた感じで言われて、その通りに起こしにやって来た千影。 彼には涼夜が一体どういう存在であるかを垣間見た気持ちになりました。 それにしても、千影は本当に涼夜のことが好きなんですね(シミジミ) 遅刻しそうなのは「寝てる。絶対に寝ている」涼夜のせいだというのに、自分が「着いた時も結構ギリギリだったし、だからけして涼夜が悪いのではなくて・・・・・・」と庇ってさえいます。 ギャップ萌えをしているうちに遅刻をし、やって来た学校でも千影の涼夜への想いはとどまることを知りません。 席順にまでそれは及びます。 ――涼夜、愛されているなぁ。と、ほとんど羨ましくすらなってしまいました。 そんな千影ですが、何故だか自分に自信がないようです。 あっという間にクラスメイトに囲まれる涼夜を見ているだけの自分に苛立っています。 千影が行けば一瞬で勝負がつきそうな気がしますが。 何だか理由がありそうです。 一方、「とある一日の始まり」は千影視点と涼夜視点との違いこそあれ、ひたすら幸せです。 夢と現実との曖昧な境界線の上でユラユラと漂っている様な、心地良い浮遊感があります。 お互いがお互いを見つめる視線が描写が細かくて、それは愛の深さ故になんだろうなぁと、またもや羨ましく眺めてしまいました。
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