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TT-8の逃亡
和來 花果(かずき かのか)
2021/8/12 0:41
無垢な瞳がせつなくて
牛の瞳、丸くてとても可愛いのですよね。 その瞳に映った、初めての外の世界は、とてもまぶしくて美しい。 生まれ落ちたその時から、子牛の運命は決まっているけれど、そのことを子牛は知らない。人間が勝手に決めた運命だから。 ある日、子牛がトラックに乗せられて、向かった先に未来はないのです。 たった一度、訪れたチャンス。 子牛が目指した場所は牧場でした。 なぜなら、子牛が望むささやかな未来は、牧場に帰り、母牛に鼻先をこすりつけて思い切り甘え、柔らかな土を蹄でしっかりと踏みしめて草原を駆け回る、ただそれだけだったから。 子牛が帰りたかったその場所にも、未来はないのに。 子牛に死という概念はないでしょう。 けれどもしかしたら、望んだ幸せから遠ざかっていくことだけはわかっていたのかもしれません……。 切なく美しく語られた、子牛のレクイエムです。
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たやすもとひさ
2021/8/12 9:04
レビューありがとうございます。 レビュー読んで涙が出てしまいました・・・ メニューに「仔牛肉の〜」って書いてあっても、イラストの仔牛の瞳を想像できる人はいないでしょう。 かわいい仔牛と仔牛肉は別のもの、そう考えなければ、お肉は食べれません。でも、それでいいと思います。この話を子供に読ませて肉を食べれないように洗脳したいわけではありませんから。 読んだ人が、それぞれちょっとだけ考えてくれればいいと思います。自分の人生に照らし合わせて、自分のいるべき場所にいる幸せや、いるべき場所を探してたったひとりもがき苦しむ辛さを。
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和來 花果(かずき かのか)
2021/8/12 16:17
たやすさん 返信ありがとうございます(*^-^*) いるべき場所、生きられる幸せ…。 仔牛ちゃんだけではなく、当たり前のような環境が、与えられていない人やいるべき場所を探して苦しんでいる人も多いですね…。
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