はーこ

迷える少年を撃ち抜く『音』の弾丸
なんと言っても、『音が見えた』という一文から始まる印象的な冒頭シーン、文面から伝わる臨場感が、熱量が、まさに圧巻でした。 名門の音楽科の中でも特に優秀な『赤ネクタイ』でありながら、思い詰めていた奏司くん。そして彼の世界を変えてしまった綴さんの歌声。相棒を亡くし、歌わなくなってしまった綴さんを追いかける奏司くんの姿が、純粋で、ひたむきで、応援せずにはいられなくなってしまいます。若さゆえの暴走とでも言うのか、時折挟まるコミカルなシーンにも笑顔にさせられます。 私も幼少期から10年ほどピアノを習っていましたので、奏司くんの境遇には少し通ずるものがあります。クラシックばかり弾いていましたが、みんながよく知っているような有名なJPOPやアニメ主題歌のジャズアレンジを聴いたときは、鳥肌が立ったこともあります。同じ音楽の世界での話なのに、まったく別物を目の当たりにしてしまったような衝撃です。自分の世界に足りていなかったものを欲する感覚とでも言うのでしょうか。綴さんのボーカルを聴いた奏司くんも、そんな心境だったのかな。 受験だったりで6〜7年ピアノを弾いていませんでしたが、就職のためにやってきたまったく知らない土地で、音楽とは無縁の医療職ながら、上司に紹介していただいた別の病院職員の方と、人生で初めて行ったバーで連弾させてもらったことを思い出しました。そのときのことは鮮明に覚えています。思い返して今でも涙が出るくらいです。言葉にできないんだけど、本当に楽しかった。ひとりで黙々と楽譜に向かっているより、誰かと奏でる音楽って、別次元の楽しさと感動があるんですよね。 まだ52ページしか読んでいないので、綴さんのテスト前なのですが、堪らず感想を書かせていただきました。奏司くんの想いが叶って、ふたりが輝く瞬間を見てみたいなぁ。今後もわくわくしながら拝読させていただきます!
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感想ありがとうございます。 こんなに素敵な感想をもらえてすごく幸せな作品になりました。 ピアノなさってたんですね! そうなんです、誰かと奏でるって楽しいし、特別な経験になりますよね。 奏司はその特別な運命に出会った、そこからこの物語は始まったので、共感して頂けて嬉しいです。 私は今、エレキギターを習っています。 NO MUSIC, NO LIFE。 シリーズですので続くと思いますが、このFirst Volumeで、まずは二人の始動を、そして恋を、見届けていただけたらと思います。 最後まで、どうぞお付き合いください。 今回は本当にありがとうございました。
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