エブリスタ
さがす
本棚
通知
メニュー
コメント
レベッカと共に眠るとき
柚木ハッカ
2021/9/11 13:31
重厚な海外ドラマ好きにはぜひオススメしたい。
ニューヨーク市警の刑事のトミー・ロンゴは出世や手柄に興味がなく、どちらかといえば昼行灯のような刑事だ。けれどそれが彼の本当の姿ではない。彼はとある事情によりマフィアのポーリーに汚れ仕事の片棒を担がされていた。トミーはある日いつものように巻き込まれてしまうがそれは筋書き通りにはいかず、警察内部も巻き込んで思いがけない方向へと発展してしまい次々と起こる事件にトミーは追い込まれると同時に覚醒していく──ラストには思いがけない事実が待ち受けています。 1985年という時代設定です。けれど携帯がないくらいしか現代と大して変わらないので、そこは気にしなくても大丈夫です。もちろん1985年という時代に想いを馳せられるようであればより楽しめると思います。 この作品に重要なのは“ベトナム戦争からの帰還兵である“ということです。そこの理解がないとトミーや仲間たちの苦悩の深さを理解するのは難しいかもしれません(知らなくても楽しめるとは思いますが) ベトナム戦争だけではなく戦争からの帰還兵はいずれも何かしらの心の傷を受けます。それは心の奥底に根を張り決して消えるものではありません。そしてこれからの人生に大きな影響を与えます。トミーは清廉潔白な刑事ではありません。けれど“悪徳警官“かと言われるとそうでもない気がしました。命の儚さを目の当たりにして、綺麗事ではない世界を体験してきたからこそ生き抜く術を心得ているのだと思いました。 登場人物はみんな個性的です。ちょっとしか出てこない人物でさえイキイキとして、まるで隣で息をして暮らしているように感じます。それぞれが弱い面や狡猾な面があり、本当に存在するかのような錯覚に陥ります。 個人的には映画というよりは、アメリカの重厚な刑事ドラマのように感じました。毎週欠かさず観ちゃうぞ的な。 私は海外ミステリーが大好きでカタカナの登場人物に抵抗はなかったのですが、もしかしたら登場人物の紹介があってもいいかもしれませんね。ごっちゃになっちゃう方もいらっしゃるかもしれないので。それで敬遠されているのだとしたら非常にもったいないことです。 海外ドラマ好きなら是非読んで欲しいです。絶対にハマるはずです。台詞がとにかく洒落てます。それだけでも楽しめます。 最初はトミーにジレジレさせられますが、最後めちゃくちゃカッコいいのでそれも楽しみに読み進めて下さい!
いいね
・
1件
コメント
・1件
夏愁麗
2021/9/11 16:49
最後まで読んでいただきまして本当にありがとうございます✴️ (*゚∀゚*) 主人公トミーは少々難解な境遇にある男ですので、執筆当初は読者に受け入れてもらえるか不安な部分もありましたが、どうやら杞憂にすぎなかったようです。この作品をこんなに気に入ってもらえてまさに感謝感激です。ありがとうございます。途中で挫折したりせずに最後まで書き終えて本当によかったです。 登場人物の一覧は確かにあってもいいかも知れませんね。もしも登場人物の一覧をつけるとしたら、〈トミー・ロンゴ。ニューヨーク市警察1級刑事〉みたいな感じで指名と肩書きのみになるかとは思いますが、前向きに検討してみます💡 丁寧で熱い感想、本当にあ
いいね
・
1件
コメント
前へ
/
1ページ
1件
次へ
柚木ハッカ