お迎えとは
今回も、冒頭からラストまで惹き込まれるように読みました。 死神がやって来る話とは少し異なるテイストをもつこの手の話は、意図せず何者かによって強引にあの世に連れて行かれるといった、不気味な理不尽さと非情さが感じられ、後味が悪くたいそう怖いお話が多いです。 こういう語り口調で進行される怪談は、意外と難しく、特に口伝や伝聞を後日他人に語る場合は、結びの言葉に「~だそうだ」「~らしい」が続く格好になり、読んでいる方もうんざりするものですが、自身の体験談のためか、流れるように情景が目の前に浮かんできて、実際、見てもいないのに同じような体験をしている錯覚に陥ってしまうほどの臨場感あふれるお話に仕上がっていると思います。 「いつお迎えがきても良いように。」とよく言われますが、定められた運命とはいえ、正直、この手の車には、乗りたくないと思ってしまいます。 背景に、嫁姑問題や人間関係の闇の部分がちらつくあたり、心霊話というよりは、「人怖い話」なのかなと。 今回も、戦慄するような怖さを楽しませていただきました。 読み応えがありました。 一雨ごとに残暑も落ち着き、秋に近づいてきますね。 日も随分短くなりました。 お大事になさってください。 私も、秋の夜長、こんなお話を描いてみたいと思いました。 ありがとうございました。
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いつもながらご丁寧なレビューとペコメまで頂きまして、有難うございますm(__)m。 お気づきなように、本作は、怖さの本筋は人怖を意識しておりました。前にも書いたことがあるかもしれませんが、例えば、幽霊が出る事故物件だとか、住人が次々に死んでいく忌まわしい土地だとかの話は、基本的に霊怖というか、心霊現象の怖さですが、そのような物件を平気で人に貸したり、売ったり、或いは何食わぬ顔で友人知人や、はたまた家族を住まわせる、という話は、そこから人怖になるんですよね。心霊現象の部分が怖ければ怖いほど、そういう物を利用する人の怖さも、より際立ってくるわけで、よく言われるように、"結局、生きてる人間
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黒塗りハイヤーに変わって、今は、エコカーや乗り降りのしやすいスライドドアのワンボックスカーが主流となりました。作品内に登場する○ラ○ンや○ド○ッ○といった高級車や、霊柩車も以前よく見られたピカピカの神社が丸ごと乗っかったような装飾を施したものは影を潜めましたね。でも、私も高齢者なのでしょうか。お迎えに来るなら、魂の喪失した抜け殻となった我が身でも、せめて最期だけは、黒塗りのセダン、できればリムジンみたいな車に乗りたいです。こうして、どうでもいいようなことで、二度もコメントしたくなるのも、自分より随分お若い方々と接する機会はあっても、世代の違いというか、話が通じないことも多く、それが微妙な感性の
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