吉野衣織

バッドエンドのようなハッピーエンド
読み終えて、私はスッとしました。 美少女が転校してきたことから始まる、様々な感情の誕生。子供たちが育む夏休みの友情、明かされてゆく背景、事情。「都市伝説」というものの扱いがとてもうまく、伝説が生む現実味に唸りました。 ページを繰る手が止まらなくなる作品です。 エピローグで一気に回収される伏線も気持ちよく、同時に奈緒子が大好きな街で蘇り、生き続けられることに感動も覚えました。子供たちが大好きな「都市伝説」として、怖がられることこそ、彼女にとっては輝かしい思い出をトレースしていることになるのでしょうから。 ホラー、ですが、彼女の救いのない人生に対して、ホラーならではの希望が与えられたことに、新しさを感じました。 恐怖もしましたが、すっきりな読了感です。 面白い作品、ありがとうございました!
1件・1件
最後までお読みいただきありがとうございます。 自分でもとても悲しいストーリーに心を痛めながら書いたのですが、満足いただけて幸いです。
1件

/1ページ

1件