鷹取 はるな

『運命の環』が廻り軋む、始まりの音。
(以下、P1~12までを読んでの感想となります) 冒頭部分で描かれていたのは、本作品の主人公で語り手でもある琥珀とその『運命の相手』の麗二とのまさに『出逢い』の場面と、――そして共に過ごした幼い日々とでした。 大金持ち、しかも有力な財閥に引き取られた主人公が置かれる立場と言えば、いじめ等の酷い仕打ちに遭うなどが多そうです。 大金持ちの家の本来の子供、いわゆる『お坊ちゃま』も相当性格が歪んでいて意地が悪そうです。 それらのお約束が本作品では異なっている様な感じがしました。 本文中で「容姿端麗の久遠家の長男」と記されている麗二が品行方正で、性格もいいのです。 実に思いやりに溢れて思慮深く、頭もいい――。 それでいて大金持ちの生まれなのですから、もう完璧です。 琥珀も、久遠家の当主である麗二の父に飲まされた『条件』を自らの意志で新たに誓います。 ひたすら美しく、麗しい関係です。 しかし、気になる点も多々あります。 私が読まさせて頂いた部分はほぼ、琥珀と麗二とが九才だった時の八年前の回想です。 ――では、現在十七才になった彼らは一体どうなっているか? 麗二は「久遠家の長男」でありながら名前が『二』が付きます。 これには何らかの意味があるのか? そしてオメガバース性は話にどうかかわり、どう絡み合っていくのか・・・・・・ 麗二と出逢った瞬間に、琥珀の『運命の環』は廻り始めました。 彼と同じ音を聴いただろう私は、これから環が辿る道程が大いに気になりました。
3件・3件
この度は本当に素敵なレビューを有難うございます。魅力溢れる言葉の一つ一つに胸がいっぱいです。本当に嬉しいです; ;
1件2件
そう言って頂けて感無量です。 御作の繊細な雰囲気が少しでも表せていたらいいのですが。 こちらこそ、素晴らしい作品の感想を書かせて頂きありがとうございました<(_ _)>
1件

/1ページ

1件