夏月 海桜

幸せの象徴が
幸せの象徴であるツバメ。その巣が壊れてしまった事の心情と、それを見た主人公が過去に思いを馳せていく心情がこんなに巧く表現されている文体の瑞々しさは素敵です。短い話の中に、ツバメの巣が壊れてしまった事で主人公の幸せも壊れてしまった切なさが見えてくる。 主人公は自分の幸せがどこにあるのか。頭では理解しつつも感情では理解できなかったのだろう、と思うと切ない。ただ。他人の幸せを壊しても自分の幸せが得られるわけじゃないことを気付いていた主人公。 きっとツバメの巣を自らの手で払う事で主人公の過去に幕を引いたのだろうな、と。今後の主人公がどのような人生を送るにせよ、その責任を背負って生きていく。ツバメの巣を片付けることがその決意の表れでもあるのだろう、と思いました。
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夏月さんありがとうございます。 自分がお話の中で表現したかったことがここに全部書かれてまして、出来ることなら本編を読んで下さった皆さまには、あとがきとして夏月さんのレビューを読んでいただきたい気持ちになりました。
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