吉田安寿

トピックへのご参加、ありがとうございました
43ページまで拝読しました。 冒頭、太輔さんの悪夢から始まるくだりはインパクトがあって引き付けられます。彼のトラウマとなった出来事を最初に明かすことで「優しかった母親がなぜ?」という疑問や興味が俄然わいてきました。やはり掴みは大切ですね✨ 明治と言えば日本の欧米化が一気に進んだ時代ですが、四民平等や身分解放令は完全に形骸化したものであり、身分の違いは明確なものがあったと思います。太輔さんや怜美さんにもこの身分や家柄というものが良くも悪くもまとわりつくわけですね。特権を与えられたり、現代だったら考えられないような価値観を押し付けられたり……。そんな時代に自分の考えを臆することなく主張する怜美さんが凛としていて気高く、ステキなヒロインです。太輔さんのお母さんが起こした事件について、43ページ時点ではいまだ全貌が見えていませんが、物語の主軸として現在と過去が交差し、少しずつ明らかになっていく構成も良いと思います。 以下、気になった点です。 怜美さんはなぜ太輔さんのことが気になるようになったのか、そこが少し不明瞭に感じられました。路地で助けた時に母性本能的なものがくすぐられたのか? 以前見せてもらった写真の中の太輔さんに何か強く感じるものがあったからなのか? それとも単に好みのタイプだから? いずれにしろ怜美さんの心が動いた時点で、そのことがわかる具体的な描写がほしいと個人的には思いました。 また登場人物の話し方や接し方が明治時代にしては現代的過ぎる印象を受けました。たとえば太輔さんとお父さんは現代と変わらない感じで話していますが、戦後しばらくは一般家庭でも年上の人や親に対しては敬語を使う人が多かった印象があります。怜美さんも侯爵家のご令嬢ですから、もう少し古風で丁寧な女性らしい言葉遣いにされると物語の趣きが一層深まるのでは、と思いました。 太輔さんと怜美さんの今後や、お母さんが犯した殺人の真相など結末がとても気になりますし、構成力、読み進めさせる筆力は十分お持ちだと思います。 ありがとうございました! 9/28追記:誤字脱字があったため、再レビューいたしました。失礼いたしました。
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返信が遅くなり申し訳ございません。素敵なレビューをありがとうございます。後、誤字の訂正もありがとうございました。なかなか多かったので少々恥ずかしいです...。 言葉遣いに関してですが、おっしゃるようにどの家庭でも両親の立場は重んじなければいけないのですが、設定上太輔は母がいない中で育ったこともあり、父の勝春との関係を近くして書いています。確かにどこにも書いていないので不思議に思うのも当然かなと思いました。伶美も『強気な女性』を押し出しているのであまり令嬢感はないかもしれません。言葉遣いの研究はしているのですが、もう少し工夫してみようと思います。やっと序盤を抜け出したくらいなのでまだ物語は続きま
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