鷹取 はるな

押しかけ女房ならぬニャンコ、しかも白くてフッワフワの!
(以下、P1~6までを読んでの感想となります) まさに、「我が家に猫がやって来た!ドタバタな初めての日」そのままな冒頭です。 主人公にして語り手のアダムが住むのは家でなくて部屋、狭い安アパルトマンですが――。 それも突然も突然、振り向いたらそこに白い猫が居たという唐突さです。 思わず「降って湧いて出てきた」という言葉が頭に浮かびました。 しかも、この猫はどうやらアダムにだけは見目麗しい少年、いわゆる美少年として見えている・・・・・・ 何と魅惑的で、そして運命的ですらある『出逢い』なのでしょうか! アダムならずとも一瞬にしてハートを鷲掴みにされてしまうのは請け合い、――いや、必至です。 私もがっちりと掴まれてしまいました。 猫は、狭いアダムの部屋の中を縦横無尽に動き回ります。 挙句の果てにはアダムの肩に飛び乗りさえします。 文字通り、よく動く「猫の目の様な」すばしっこさです。 クルクルとよく動くのは体だけではありません。 心もです。 アダムの名前までも知っていた猫ですが、自分の名前を含めて肝心なことは何一つ憶えていません。 当然ながらアダムの問いにも満足に答えられません。 不意に言葉に詰まったりしてしまいます。 その見た目以外にも、猫には何やら『秘密』や『謎』がありそうです。 「bell the cat(猫に鈴をつける)」とは「厄介事を進んで引き受ける」という意味の言葉です。 猫に『コトン(綿)』という愛くるしい名前を付け、飼うことに決めたアダム。 ――彼はコトンの首に鈴をつけることが出来るのでしょうか? アダム自身の過去も併せて、大変気になるところです。
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