越智 信

脳内を走る赤い閃光を、もしも引きずり出し切れたら
おれがこの作品と出会ったのは、確か2013年の冬か、14年の年初めだった。当時のおれは、大学に全て落ちたという鬱屈とした感情を抱えて、そしててめえの作品がうまく書けねえと矛先のない怒りを抱えて夕暮れの街を徘徊しながらネット小説を読みふける毎日だったな-- まあ、おれの話なんてどうでもいい。この作品に関して言えば、非常にレベルが高いことを申し上げる。完成された、一つの、流血表現ありのトム&ジェリーとして。今おれが最も、手本にしている作品の一つとして。 この作品の描写はえげつない。人がゴミのように死んでゆく。死神がほら、ほら、ほら、お前の番だ、とでも誘っているかのように。その犠牲の上で、主人公達は走り続ける。安寧など捨て去ったドリフターは、正義感を糧に厳しい今日を生き残る。 もし、自分の脳内を走る赤い閃光を引きずり出せたなら--あなたには何が見えるだろうか? 鬱屈とした感情を吹き飛ばす、目で読む興奮剤があれば--どのような意思がもたらされるだろうか? なぜ、抽象的なことばかり書いているかと言えばそれは簡単な理由。ネタバレをしたくないからだ。とにかく、読め。読めばわかる。話は単純に見えて、深い。浅く見ていると、深みに囚われて死ぬのがオチだ。 吹っ飛ばされるぜ。 ヘヴィメタルと酒を求める夜に、どっちも好きじゃねえ、ってやつには特に勧めてやりてえよ…… ただまあ、一個だけどうしても言っときたいことがあるんだよな。 兄貴、誤字が多いよ……それだけ直して
1件

この投稿に対するコメントはありません