節目無き反転、そして幸せの答えが
二人の男女の再会、結婚、そして「結末」までを、より自然な比喩と描写で描いた、素敵な短編小説でした。 主人公の男性の心の内を語る地の文はとても流麗で、その機微は青年期からの成長を経てもなお無垢で実直な人となりを、読み手に教えてくれます。 感情移入したまま訪れる中盤以降、私達は唐突に大きな出来事を自然な文章の中に知ることになります。 節目無き反転。静かなどんでん返し。敢えて「描かない」というその手法に息を飲みましたが、描かないからこそ、その後に読むこととなるエピソードに、切なさと不思議な幸福感を感じずにはいられませんでした。 結婚とは。 そんな永遠の課題の答えは、この作品にあるのかもしれない。 人生に、尖りや波が本当に必要なのか? この夫婦の幸せな結婚の答えは、カタチとなってそこにありました。
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長文の感想痛み入ります!🙇‍♂️
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