まずは読んで欲しい。それも、出来るだけ多くの若い女の子達に!!!
これを読んで「刺さる」女の子達が2021年の世界にどれだけいるのだろう。 時代の空気をさらりと切り抜くみな子さんの作品には、毎回ボディブローを喰らわされます。勿論、それが愉しみで読んでいるのですが(笑) ルポルタージュ風に進むストーリーは、女の子の間で流行する「#落ちたい」の深淵に迫りながら、自分の発言力に恐れながらも「#落ちたい」現象に向き合うインフルエンサー・らいむの変化の話でもあります。 ハッシュタグで拡大していくのは、言葉そのもの、落下への欲求。 かつて彼女達と同じ年頃に、投身衝動に駆られたことのある私は「著者に何故バレたんだろう……」と、読みながらそわそわしっぱなしでした。 しかし考えてみれば、希死念慮は普遍的なものです。 危なっかしくて脆く、それでいて靭やかな成熟途中の少女とタナトスは切っても切り離せないものです。 一歩外に出れば残酷さが溢れる世界で、青くみずみずしく、自分を守る術がぎこちない彼女達は、それだけで傷付きやすいもの。 作中で、現象をイニシエーションとして語られるように、「落ちる」ことは限られた一瞬を生きる彼女達に意義のあるものかも知れません。 そして、街中で「落ちる」ことで街と一体化するのが、生まれた時からSNSがライフラインの時代の少女達と思うと、都市という生き物の息遣いすら感じてしまいます。 「落ち」ようとする少女達に呼びかけ、らいむ自身が「落ちる」ことで見えた景色は、着地した本人達にしか分からない。 だからこそ、是非この作品を読んで体感して欲しいです。刺さる10代、20代の女の子は多いはず……! そして、現実世界のレイヤーを捲って描写されるストーリーと普遍的なテーマには、ただただ脱帽。これが1万字未満だなんて。 小説としてお手本過ぎます、憧れます!みな子さん!
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真哉さん、レビューありがとうございます! やっぱり、表紙の絵(著作権フリーのパブリックドメインQから見つけてきたものです)から発想して書き上げたもので、なかなか難産でしたが、書いた本人もかなり気に入った作品です。 本当に、ちょっとフロイトのタナトス論をちょっと読んで、それにたしかに希死念慮というのは希薄かもですが普遍的なものですね。 わたしは書くとき、真哉さんの投身衝動を知らなかったので、やはりバンジージャンプなどのスリルには惹かれる子が多いのでしょうね。 刺さる子が多いといいのですがb 実はパブリックドメインQのアニメ絵系の絵から、その絵を元に小説を書く、第二弾も思考中です。←できない

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