このひとを見よ
心を打つ作品である。 これを書くのは(過去を思い出さねばならぬから)相当につらかったのではないかと、私には想像することしか出来ない。 正直にいえば、読むことがつらい作品である。 だがまずは読んで、登場人物たちを見るべきだと思う。 読者の胸に生じるつらさは何処からくるのか。それは誰もが、「私も作中のどこかのシーンにいたかもしれない」と思うからだろう。 人によっては主人公の立場だったり、ほかの登場人物だったりするだろうが、ここに描かれている事ごとを見たことも聞いたこともない人はいないはずで、そのことを忘れたい気持ちがおそらく、誰の胸にもあるのではないか。 だがもしあなたが寛容性や多様性のある社会を求めるのなら、この作品によって暗がりから浮き出たことに目を背けてはいけないのだ。問題は認知されなければ、改善されることなどあり得ないのだから。 この世はもしかすると、旧約聖書的な厳しさに満ちているのかもしれない。だからこそキリストが説くような「愛」をそれぞれが持つべきなのではないだろうか。そういった観点からすれば、この作品がもっともクリスマスに近いのではないかと、私は考える。
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はやくもよいちさん レビューありがとうございます。 十月末に交通事故に遭い、ふと昔のことが頭をよぎりました。 今もいじめで尊い命が失われていることが辛く、苦しくて仕方がありません。私も自殺を何度も考えました。でも、死んだらそこでゲームセット、恩人の言葉に命を救われました。昔を思い出すのはとても辛かったのですが、誰でも加害者になりえる、被害者にもなりえるということをどうか忘れないでいてほしい。その一心でこの話しを書きました。 はやくもよいちさん、読んでいただきありがとうございました。
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ななもり あや さん コメント返信、ありがとうございます。 クリスマスって、私もそうでしたが、世間的には幸せな行事のイメージがあります。でもいじめや虐待、貧困や差別など、いろんな事情で「大嫌い」な人だって少なくないんですね。 ななもりさんの作品は、そういう方々に勇気と希望を与えるものではないでしょうか。 タイトルを「大嫌いだった……」とされたことで、天国にいかれた方々にも、これから作品を読む方々にも、ななもりさんの思いが届くと思います。 ありがとうございました。
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