ボスコベル

落涙です
 最初に読んだ時からかなり経っていて、 思い出しながら再読させていただき、 同じ感想を抱きました。  美しい心根の人は早く死ぬのだな、 汚れない魂は早く召されるのだな……  と。  もちろん、 善良な人が天寿をまっとうすることも多いのですが、 若くして亡くなった人々は、 やはり、汚れ少ない一生を……と、思わざるを得ません。  感動しつつ読み進めていたせいで、 ページコメントに大方の感想を書き込んでしまったのですが、 あらためて、 紫さんの短くも鮮やかな生涯、 その断片を切り取って見せてくれた筆力に、 しみじみと感銘をおぼえます。  少女である紫さん。 けれど、少年二人から見ると、お姉さん。  洒脱な、ちょっとばかりおませな口調の紫さん。 小娘のはずが、周囲への気配り、優しさが秀でていて、 哀れを感じるほどに優しい人。  こんな紫さんは、 病んだ男に恋慕されなかったとしても、 長くは生きられなかったかもしれない。  または、紫さん自身、醜い世の中の犠牲となって、 世俗では生きていかれなかったかもしれない。  病んだ男も、その母も、世話をしてくれた女性も、 皆、切ない生涯でした。  義陽君は、雄々しい人。日本男児。 だからこそ、散った。  残った京作君にとって紫さん、義陽君は、 宝石のような人々ですね。  そして、死後も、京作君に寄り添って、 影のように付き纏い、伴走してくれているようです。  遠くへ行ってしまったのではなく、 付き従ってくれていそうです。  最も感じたことは、 幼い頃または思春期に見聞きした美しいものは、 人生の宝で、けして消えないということです。  京作君は紫さん、義陽君から、 それらをしっかり、受け取ったのではないでしょうか。  本当、泣けました。何の涙なんでしょうね?  泣きました。 紫さん、義陽君の死に泣いたのではなく、 生き方、魂の美しさに泣けたのだと思います。  今も、思い出しながら書いていて、 鼻の奥がつんとします。  儚い命、けれど、強い魂の物語でした。
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ボスコベルさん!✨💕 素晴らしいレビューをまた書いてくださってありがとうございます……!!新年から驚きと幸せの大洪水です😭 ボスコベルさんはペコメもたくさん書いてくださっていて、そして今回のレビュー、どれもが私にとって大きな感激と学びです。 罪を犯した男、健忘の母、最後にちょっと出たおばあちゃん……隅々まで目を配り心を向けてくださる姿勢が本当に懐が深く、大変なことだと思っております。 そして何より、キャラの心の清らかさについてこんなにも深く優しく汲んでくださるのがお優しいです😭本当に、私よりよほど繊細に感じ取ってくださっています。 紫と義陽、そして京作のことをたくさん思ってくださってありが
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