砂樹あきら

透明な黒き“棘“
“棘”が視える。 “棘”が刺さっている。 本当に小さい“棘”が。 ただそれは楔のように深く深く突き刺さり 普段は周りのものに溶け込んでいて透明でその色自体はわからない でも、小さくてもその“棘”の存在感自体はドス黒く、「闇」そのものだ。 確かにそこにある。 そこに突き刺さっている。 でも、小さ過ぎて見落としてしまうかもしれない。 でも、本当は見落としてはいけない深い“棘”…。 見えないようにしながら 見せないようにしながら 彼は、矢尾板くんは生きてきたんだろう。 物語を読み進めながら、わたしはどうしてもこの矢尾板くんが好きになれませんでした。 物腰がやわらかいとか気さくとか人懐っこいとか、小説の主人公としては申し分なく読み手の感情移入を誘う好青年に見える…。逆に、冴島くんは鬱々していて感情移入できるか?と問われれば、「うーん😕」というタイプ。どちらかといえば欠点が目立つ人物。 矢尾板くんは探偵さながらに事件に首を突っ込み、自分の出自を明かしながらも、見事な推理を言ってのけました。とても目を見張るような論拠だ!と納得しつつ、わたしの中では「なぜ?」が大きくなる一方でした。 もっとも大きかった違和感は血が繋がっているにもかかわらず左近さんを「父」と呼ばなかったこと。必ず名前で呼んでいました。 そのあたりから、事件解決の視点を別方面に移し仮説を立てていくと違った展開が見えてきました。(これぞミステリーの醍醐味‼️) ただ、最後のNULL=彼という構図と黎人くんが最後の最後に彼に向かって戦いを挑んだことは予測の範疇を超えていたので、大いに驚きました😵 ビックリついでに、矢尾板くんの判断の甘さとあそこまで真相に迫れる黎人くんの能力の高さ(血の成せる技だとすると数年後には矢尾板くんの論理展開を覆しそうw)+今後3〜4年後の成長ぶりを期待すると「復讐編」って感じで続編が書けそうですね。(あそこまで自白した矢尾板くんの言葉を録音してないのかなぁ) 以上が感想です。 ありがたくも表紙をつくらせていただいたので、画像や図版が象徴する意味を追いかけていけば、秘蔵さんが何をやりたいのか、何を表現したかったのかは伝わると思います。 ミステリーとして完成度の高い作品だと思います!
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字数制限に引っかかって、入らなかった最後の文w 純白は漆黒の影なれば 影おつるところ光ありて 光なければ影おつることなく 影おつることなければ光なし そは 表裏一体にして同一のもの 純白とは漆黒 漆黒とは純白の別名なり そは 人はその両翼を持つものなり
読後の感想ありがとうございました。 これまでの歴史の中でさまざまなバリエーションが書かれてきたミステリというジャンルだけに、書く前はとてもナーバスになりました。 この長編の骨子を考えた後でもまったく自信がありませんでした。でもいまは下手糞ながらも書いてみて、挑戦してみて良かったと思っています。 頭の中、ノートの中に定義されたストーリーを文章としてひとつひとつ紡いでいくうちに、ほんの少しではありまずが喜びもありました。 今回は表紙を仕上げていただいたり、感想をいただいたりと大変お世話になりました。 これからも頑張ります!
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毎回、違うテイストで楽しませていただいてます‼️ 頑張ってください!
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