ふじのやま

誰も報われない事実に胸が苦しかったです
復讐心中はコミック版を初めて知って小説も興味本位で読んでみようかと思い、驚愕の連続に衝撃を受けて全て読ませていただきました。感想として、いじめはここまで人の一生を大きく狂わせてしまう事なのだと改めて考えさせられました。これほど読んでいて胸の内が苦しかったのも初めてでした。 過去にいじめをした教師の笹尾に復讐をする前半の話から後半の話は、いじめを黙認し続けた学校側の教員にも実はかなりの落ち度があったのが後々分かってそれがどうしても許せず、詩ちゃんは復讐を果たせたは良いものの結局自分自身も知らずにいじめに加担してしまっていたみたいな内容に趣旨が変わってて「ん?どうしたの?」ってとにかく読んでて混乱しました。でも上手く話をまとめられていて凄いと思いました。 詩ちゃんも周りも徐々に狂ってる様は、生々しくて圧巻でした。 復讐やいじめというのがテーマだったので最後は妹の詩ちゃんにとっても決して良くない結末で終わるだろうと分かってはいました。 最後の結末は酷い現実を嫌というほど見せつけられてやはりショックでした。 登場人物の誰一人として幸せに生きれてなくて残ったのは、いじめの連鎖と苦しみや悲しみだけでした。幼馴染の天君もおばあちゃんも報われないのは辛かったです。ならせめてもう十分苦しんだ詩ちゃんといじめをした事実を受け入れてそれでも前に進もうとした笹尾だけでも心から救ってほしいと少しでも幸せに生きてほしいと涙ながらに感情移入してしまいました。 いじめがどれほどの人を狂わし不幸にするのか今の自分達の現代社会に置き換えてもこれから先もずっと考えていかなければいけない永遠のテーマだと思いました。 報われなさすぎて本当に読んでて苦しかったです。福田さんは亡くなってほしくなかったので蟠り残って残念でした。天君は可哀想なのが反面笹尾以上に歪んでて何か気持ち悪かったです(-.-;) 続編出たら読んでみたいですね。次の作品も楽しみに待ってます。
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