ともなり

超・妄想コンテスト『おめでとう』裏会場👑金賞受賞作品
一人称で進む中学受験の不合格通知が届くところから始まるこの物語は、少年期特有の罪悪感を見事に表現していて、ステレオタイプの教育ママのヒステリーと、弟の頑張りに何度か寄り添いそれを見ていた上、すでに中学受験を経験し合格した先を知る兄が対になる綺麗なコントラストができていました。落ち込む主人公がどうしてもよくない方に考えが向くのを、勝者たる兄が一言もコケにする事無くかつ押し付けではなく、こんな考え方もあるぞとさり気フォローするのはどれほど救いになったろうかと思いました。そして主人公がたどり着く結論はきっと、受験のために犠牲にしてきて得られなかった、塾で教われない大人になったら学べない事なのだとの気付きなのかなとも思いました。

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