ともなり

超・妄想コンテスト『降りつもる』裏会場銅賞受賞作品
愛情を知らなかった少女が、父の後妻によって少しずつ心を解きほぐされ、愛を知って行くお話。幼い主人公に距離を置く父の姿は一見不自然なようで、実は育児を任せきりだった妻を失った後、方法的にも心理的負い目においてもどう接して良いのか分からないと言うのが推察され、決して娘を嫌っていた訳では無い事が後で垣間見えます。お話自体はとても優しく慈愛に満ちていて後妻の魅力的な人格が心地良ささえ感じる所もあるのですが、それを描写しきれていないなと感じる事が多くもったいないなと思いました。注がれた愛情を次に渡そうと決心するのはドラマチックで胸が熱くなる展開なのですが、ここまで愛情を受けたと認識しているのなら最後くらいお母さんと呼んでも良かったかなと思いました。
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