https://estar.jp/novels/25953328 『プロになる』というのは、自分に呪いをかけるような行為です。あなたが『プロ』を名乗った瞬間、もう今まで通りの態度で物事に打ち込めることはないと思った方が良いでしょう。 ダーツのプロ資格を取ったとき、僕は嬉しくてそこら中に自慢したものです。最初こそ、周りの人は祝福してくれました。下手くそだったお前がとうとうここまで来たか、と。 しばらく経つと、周囲の視線が急激に厳しくなります。 人間ですから好不調の波もありますし、思うような結果が出ないこともままあります。でも、周囲の人からしたらそんなの言い訳です。僕が『プロ』であることを理由に、厳しい言葉が次々と投げかけられるのです。 「お前みたいな中途半端なプロが業界を汚す」 「そんなんでもプロって名乗れるんだな」 「頼むから応援したくなるプレーをしてくれ」 プロに求められるのは『結果』です。結果が出ない以上、プロとしての人権はないのです。どんなに高尚な理論や理屈を語ったとしても、結果が出ていない以上は聞いてもらえることもないでしょう。 罵詈雑言に耐えられず、プロ資格を返上する人も後を絶ちません。ですが、それで全てがチャラになるわけではありません。『元プロ』という肩書が消えないからです。一度プロで逢った以上、たとえ引退したとしても、プロフェッショナルとしての品位を求められ続けるのです。 もしあなたが何かのプロになろうと志しているのであれば、周囲から味方がいっさいいなくなるものだと思ってください。 信じられるのは己の腕っぷしだけ。誇っていいのは実績だけ。 自分の手で切り拓かない限り、目に見える全てが敵になります。覚悟してください。 僕はもうちょっとプロの世界でもがくことにします。自分で背負った十字架です。自分でなんとかするまで、倒れるわけにはいきませんから。
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頑張ってほしいです!
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ありがとうございます。もう少し悪あがきしようと思います。
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