https://estar.jp/novels/25953328 あなたは高校野球の監督です。 自分のチームに素晴らしい投手がいるとします。彼の実力は超高校級。今すぐプロは無理でも、大学、社会人野球に加われば大活躍が期待できる投手です。 当然、高校で燃え尽きさせるわけにもいきません。故障しないように大事に大事に扱うと思います。 ところがある日。彼は突然こう言ってきます。 「先のことなんてどうでもいいです。高校で燃え尽きさせてください」 さて、貴方ならどうしますか? 佐々木朗希投手の母校・大船渡高校の國保監督の功績が注目されています。甲子園がかかった県大会の決勝戦、佐々木投手を温存して敗北。チームが甲子園を逃す代わりに、佐々木投手の身体を守ったのです。 佐々木投手が完全試合を達成したことで、この判断が正しかったという声が大きくなっています。やはり高校で燃え尽きさせるのは違う、選手の身体を第一に考えるべきだと。 ところがその裏で、『高校野球経験者の7割以上が高校で野球を引退する』という現実があります。大学、社会人、クラブチーム、独立リーグ、プロに進んでプレーする選手は、全体の3割に満たないのです。そのほかの選手は、『高校野球が集大成だ』と思って臨んでいます。 引退すれば身体を休められる。だから多少の怪我を押してでも、高校野球で燃え尽きたい。そう思っている選手が、無視できないくらい多いのです。 また、野球を続ける続けないに関わらず無理をしたいというケースもあります。 現・楽天の安樂投手。彼は済美高校2年時の甲子園大会で実に772球を一人で投げ抜きました。当然、首脳陣に批判が集まります。 ところが翌年、安樂投手が無理をした理由が発覚します。恩師である上甲監督が亡くなったのです。安樂投手は体調が芳しくない上甲監督を甲子園で胴上げしたいがために、自らの意思でマウンドに立ち続けたんです。 難しい問題です。何十年かかっても結論が出ることはないでしょう。そして、正解もありません。 ですが知っておいてほしいのです。 テレビからは推し量れない、直接見てても分からない。外部の人間が軽率に口を出せない事情があることを。現場にしか分からない心情があることを……
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スポーツの世界はわからない、けど、この先大人になれる保証はどこにもないから、じぶんなら背中おしたいです! だけど影ながらマネジメントしたい、壊れないように。生徒が気づかないように指導できる、それがほんとの教師だと聞いたことがありますよ〜
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良いピッチャーである彼だけを守るのであれば、そういう選択も正解となり得ると思います! しかし、彼が満足いくまで投げるということは……控え選手の出番が減ります。その控え選手が高校で引退するつもりであったとしたら……? エース投手を説得し、高校で引退していく選手の想いを背負って大学でも投げ続けてもらうという選択肢も、頭になくてはいけないのです。
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むずかしいですが 未来を守ることも、大人の配慮かと 思いますね~
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その通りです。まだ高校生ですから、周囲の大人がきちんと諭さなきゃいけないこともあります。 ですが、高校野球は一生に一度きり。過ぎ去ったら二度と戻れないのもまた事実なんです。 将来も現在も守らなければなりません。その最適解というのは、なかなか見つからないものなのです。
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