これは、過去に囚われていた捻くれ者が未来へと踏み出す物語……。
   偶然の出会いから始まった奇妙な関係……しかし、その出会いがあったからこそ羽鳥と豊橋さんの未来は動き始めた──。  全体的に軽快な作品はAT限定さんの作風の魅力ですね。投げやりというか無気力というか、そんな羽鳥が頼りなげな豊橋さんの力になろうとした始まりから、やがて羽鳥の抱えた辛い過去が少しづつ浮かび上がる……物語は何処へ向かうのか楽しみながら読ませて頂きました。  そして羽鳥を取り巻く人達のキャラがとても良かった。個人的に米原がお気に入りです(笑)  物語に関わる人達の生き方は皆どこかに不安を抱えていて、それを乗り越えてゆく姿が印象的でした。  過去との決別ではなく、過去もまとめて抱えて未来へと踏み出した羽鳥。そして羽鳥のお陰で本来の自分を取り戻し始めた豊橋さん。二人の未来にはきっと幸がある……と勝手ながら思っています。  楽しませて頂きました!  
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