哀しいけれど、とても心温まるストーリーでした。
読了しました。 とても心温まる、だけれど、少し哀しいお話でした。 持ち主の七海からの愛情と七海のお母さんの七海に対する愛情からツクモ神になったかつ丼が受験票を届けてほしいと主人公忌一に頼む、というお話ですが…確かに人形やぬいぐるみは大切にすると命が宿ると言われていますね。 最初の方で語られるそういった霊や神様についての説明も無駄がなく、わかり易かったです。 嫌々ながらもかつ丼の為に電車に揺られながら受験票を届けに行く忌一にとても好感が持てました。 結局、仮受験票で受けていたみたいで届けなくても良かったのかもしれないですが、七海のために届けたいというかつ丼の気持ちに私は胸の奥が熱くなりました。 最後は結局七海には会わずにお炊き上げされたというのが…なんとも哀しい。 是非とも会って欲しかったという気持ちもありますが、かつ丼の考えるにも賛同できてどちらが良かったかと言われると会わないままお炊き上げを受けるという展開で間違いではなかったのでしょうね。 人間と神様(霊)は共に生きることはやっぱり難しいですし、持ち主の七海のことを考えるとかつ丼の選択は正しい。 それ故にこのなんとも言えない哀しいような温かくなるような読了感があるのだろうなと思っています。 時々出てくる忌一の心情描写もまた物語に哀愁を漂わせる一つのスパイスとして上手く作用していたように思います。 短い文章でとても丁寧に纏められていて、読みやすかったです。 ただ、時々脱字があったので一度推敲してみるといいかもしれません。 拙い感想になりましたが素敵な作品を読ませて下さりありがとうございました。
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