未央柳

タイトルから惹かれた作品でした
ショパンのエチュード、エオリアン・ハープは主人公の得意の一曲。 しかし、作中では彼は一度も弾かず、過去の演奏の描写のみ。 それでも、登場人物に大きな影響を与える曲として存在感を放ち、物語は三人の若者がそれぞれの接点により繋がったところから動き出します。 全て読み終えて最初に浮かんだのは、“若かった”。そんな言葉でした。 勿論、それだけでは収まりませんが、彼らによって語られる現実味のある経験談から、若さ故の繊細さや不安定さが率直に伝わり、思わず共感してしまいました。 そして、真剣だったからこそ、躓いたダメージは大きく、挫折により、逃げることを選択する気持ち。 また、自信のなさや引け目と同時に存在する相対する感情。 自分の決断に納得し、忘れたつもりでいても、蓋を開けてしまえば、溢れ出す当時の思い。 そんな複雑な心理が絡み合い、それぞれが過去に立ち返り、自分なりの生き方を模索していく姿に胸を打たれました。 戻らない過去の尊さを感じながらも、全てを受け入れ、前向きな決断をすることの素晴らしさ。さらには、挫折は人生の分岐点ではなく、通過点だと教えてくれる良作でした。
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うわあ、ありがとうございます。 そんなあ、大層なもんでは・・、と思わなくもないです。 でも、すごくいいところを切り取ってくださってると感銘です。 なんだか、照れますよね、レビューって。へへへ。 でも、本当に感謝です。 重ね重ね、ありがとうございました。 (早かったですね。)
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