ハルノネ

出会えてよかったな、と思える物語
正直に言います。私は主人公が「選ばれし者」系の物語が苦手です。 何も努力してないくせに、「選ばれたから」という偶発的な理由だけでチヤホヤされたり、みんなから特別視される主人公。 性格悪めの私は、それだけで、主人公に感情移入することができず、ページを閉じてしまいます。 さて、この物語は、セルシアになるべく異世界に連れてこられた「特別な女の子」の物語です。 はい、私の苦手なパターンです。いつもならすぐブラウザバックするパターン。 だけど、今回は少し違いました。 まずは、とにかく緻密で丁寧な情景描写と人物描写。 特に、歌によって枝木が輝くシーンは、読んだ瞬間から、自分自身がそれを目の前で見ているような気分になりました。 『この美しい情景にもっと浸っていたい』 その一心で、読み進めていきました。 すると、ある時、ふと気がつくのです。「あれ?この物語、私の苦手なタイプのお話じゃなかったっけ?なんでこんなに、自然と読めるんだろう?」 そこで考えた時に浮かんだのがサクラちゃん、そう、この物語の主人公です。 上記に書いたように彼女は「選ばれし、特別な」女の子です。 しかし、彼女自身にその自覚はありません。 どれほど周りに大切にされようと、特別視されようと、彼女は決して思い上がることはありません。 むしろ、腰は低すぎるんじゃないかというほど低く、いつも、周りのことを第一に考えています。 そんな、心優しくも凛とした主人公だからこそ、私は知らず知らずのうちに応援していたのでしょう。 そして終盤に進むにしたがって、彼女の内から芽生える強さと責任感。 これは長い物語の第一章ですので、とっても気になるところで終わっています。 だからこそ、サクラちゃんの今後を最後まで見届けたくて、続編も本棚に入れました。 多分、この先は今まで以上に、きれいごとだけでは済まない世界が展開されていくのでしょう。 少しドキドキもしますが、今後もちょこちょこお邪魔しようと思います。 素晴らしい作品を、ありがとうございました。
2件・1件
読了くださいまして、ありがとうございます。 そしてこんな素敵な感想まで寄せていただけるとは思ってもみませんでした。重ねて、ありがとうございます! 苦手、だけど読めた、というのは、かなり嬉しい評価です。今は勢いのいい作品が多くて、情景描写とかはそれほどないものが多いなと感じる中、自分の文章はムダなものがふんだんすぎるのかも、と思いつつ書き進めたところがたくさんあります。なので、そこがあっても邪魔になってないというような評価には、安堵をいただいた思いです。 まだ十代の女の子ですので、考えが足りなかったり、独りよがりなことも失敗もします。自分勝手な振る舞いも出て来ますが、そんな成長過程とともに、

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