登坂 歩

ハイレベルな筆致と唯一無二の表現力
まずもって、掛け値なしに素晴らしい文章でした。 私自身、プロ作家さんを除いては初めて表現の多彩さに本気で唸らされた作品かもしれません。 とにかく物語のそこここに散りばめられたひときわ強い輝きを放つ言葉たちが、より一層ストーリーの奥底へと引き込んでくれました。 お話の作りも素晴らしいの一言に尽きました。 主人公にとっての柔らかいもの、硬いものが対比として描かれているのですが、そのベクトルの持っていき方が実に秀逸です。 私のようなおっさんとは真逆の存在である女子高生の心情を手に取るように理解することができ、それはひとえに関係性を描く技量の高さがそうさせているのかと思いました。 また、労せずしてその場の光や音まで想像できてしまうのは、知らず知らずのうちに文章に仕込まれた情景描写を映像化しているためだと思います。 他人でもなく、親友でもない、そんなとても淡い関係のふたりが、これからも温かな距離感の下で幸せに過ごすことを祈ってやみません。
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登坂さん、お読みいただきありがとうございます。 書いた私ですら気づかないような細かいところまで読んでいただき、心のこもった感想をいただいて恐縮しております。 本当にありがとうございましたm(_ _)m

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