たらこ飴

ファンタジーと一括りにするには、勿体無いほどの傑作
なぜ、この作品を読んでいて泣きたくなったのか。突き詰めて考えていくと、辿り着くのは「痛み」という一つのキーワードです。愛する姉を二度奪われた妹の痛み。作者様はそれを、どこか懐かしさを感じさせる文体で、且つ瑞々しく書き上げています。愛することと喪うことは、痛みを伴います。姉を月に葬るという行動は、姉の魂だけでなく、混沌としていた自らの心にある種の区切りをつけるためのセレモニーだったのかもしれません。(あくまで一個人の解釈ですので、悪しからず...。) 繊細で優美な筆致により紡ぎ出される、懐古と幻想の世界観。その中にある痛々しいほどのリアルに、胸を打たれます。ぜひ、ご一読ください。
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たらこ飴さま 「月に葬る」をお読みいただきまして、御礼申しあげます。さらには素敵なご感想まで賜り、感謝の言葉もございません。仰るとおり、葬ったのは姉ではなく妹の永遠に叶わぬ恋だったのかもしれません……私は著者であり、すべての解釈は読者様にゆだねておりますが、その上でたらこ飴さまのご感想にはなるほど……と頷かずにはいられませんでした。自著にご縁を賜りまして重ね重ねになりますが、御礼申しあげます。
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