「夏の夜」 スイカを切っている。 時刻は午前二時。午前二時。 草木も眠る丑三つ時。 明日は仕事で、起床は六時。 床についたのは午後11時。 現在睡眠時間三時間。 すぐに寝れば、トータル六時間の睡眠時間が確保される計算である。 なのに、なぜスイカを切っているのか。 というと、気温42度の熱帯夜に、クーラー故障というアクシデントが重なったせいである。 一タマ3980円のスイカに、包丁をまっすぐ入れて、くるくると一周させる。 「あ」 なんか、中から赤ん坊が出てきた。 この赤ちゃんポスト斬新すぎる。 というか、スーパーの青果コーナーに設置しないでほしかった。 この赤ちゃんが後に、スイカ太郎と呼ばれ、鬼退治に出かけることを今の僕に知る由はなかった。

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