橘 弥久莉

深い人間ドラマが、二度味わえる秀作
毎日少しずつ読み進めさせていただきましたが、 ページをめくる度に読み応えがあり、ため息ばかりついていました。そして最後のページで「まさか」の結末に、慌てて読み返し(笑) 狗夜様のストーリー構成力に、今回も感動しています! 街で再会した人が実父だと思って読んでいた間は、自由奔放で勝手なのに人間味があって、不思議な温かさがあって、だから涼平は憎むことが出来ずに彼に救いを求めることが出来るのだろうと思っていました。きっと何の欠点もない立派な父親だったら、自分の不安や弱さを曝け出すことは出来なかったのだろう、と。 そして、お気に入りの風俗嬢の名を娘に付けるような困った一面すらも受け入れているようなやり取りに、父と息子の切っても切れない関係のようなものを感じました。 けれど楓子ちゃんが亡くなっていたという事実と、実は「親父」が事故で死んでいたという真実。 そのことを知ってから物語を思い返すと、また別の人間ドラマのように感じ、本当の父親はいないとわかっていながら追いかけて声をかけた涼平の 気持ちがじんわりしました。 もし再会したのが自分と母親を捨てて出ていった本当の「親父」だったら、涼平はどうしただろうかと、読み終えた後もぐるぐる考えています。 タイトルの「親皓々」も深いですね。 ヒューマンドラマという名が相応しい、素敵な物語を読ませていただきました。ありがとうございました!
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橘 弥久莉さん、ご感想ありがとうございます✨💕 読んでいただき、感想まで書いていただけてうれしいです。 この作品の主役の一人である『親父』は、私の理想の父親です。 私は生まれたときから母子家庭でしたので、父親という存在がよく分かりません。 他の作品でも父親は出てきますが、リアルな父親が分からないため、理想や失望を混ぜ合わせてキャラクターを作っています。 あの『親父』みたいに、エッチなことでも真面目なことでもちゃんと話せて、返答が心を和ませてくれるような人が父親だったらいいなあ、という思いで書きました。 真面目な名言が、ほんとに心に響く名言ではないというのも出せたらいいな、とも思いながら。 橘さ
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