少女以上女未満の微妙な季節
 冒頭からの濃密な描写に眩暈を起こしそうな、 クラクラ世界。    女子が圧倒的多数を占める中に、 ちょっぴり男子も混じるという生徒編成。    上手いなあ、リアルだなあと、 (そんなリアルは知らないくせ)思いました。    男子(男の子の目線)は居ないようで居る。 その絶妙な割合加減。    私事ですが、女子校で思春期を過ごして、 子供時代から同性ばかりで居て、 オンナというものを意識せず育ってしまい (=色気無し、食い気&趣味) 公立中学から編入してきた同級生の女らしさに (ジェンダー論は横に置いておかせてください) 驚いたものです。 (しかし彼女達も女ばかりの世界に住むうち、 段々に中性化?していくのであった(笑))    まさに今、 花開こうとしている女の子達の蜜の世界。 濃密な世界。    大奥でもないですし、もちろん宝塚でもなく、 イメージですが、 多人数アイドルの内輪の世界のような?    主人公の阿笠さんのあっという間の変容ぶり。 鮮やかに予想が裏切られました。  容姿や見た目ではなく、 一瞬のうちの精神の脱皮。    真由華ちゃんは「ちゃん」。  紗瑛子さんは「さん」。  阿笠さんは最終的に「様」まで行きそうな。    心身が微妙な変化を遂げる季節の少女達。  練られた表現の、 重く甘い言葉の数々によって紡がれたテーマが 明確に伝わって、 読後、どしっと来ました。    阿笠さんの今後にも興味を抱いてしまいます。    いつか、続編が出るといいな。 それとも他の物語中に登場したりして?    阿笠さんのような人、 実人生で会うことはなかったですが、 居る居る、居るんだろうなあと現実味をもって、 拝読しました。    おもしろかったです!  
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大変丁寧な、感謝感激のレビューを有難うございます! 頂いたペコメからボスコベルさんはこの拙作、もしかしたら気に入って下さったかな…と勝手ながら感じておりました。 女子校でも良いんですけど、ちょっと男子がいると、女子の生々しい感情がより出るかなぁと、そうして良かったです。 私もなんですけど、女子高出身の方、多いですね笑 やっぱり物書きとか自身の濃い世界を展開される方は、共学とかでチャラチャラ遊んでない、何かを内に秘めた方が多いんですねきっと笑 本作を読了して下さった方は、阿笠さんの内面の大きな飛翔を感じ取って下さった方が多いようで嬉しいのですが、 案外、その後も暫くは表層は変わりない生活を送
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 こちらこそ、御丁寧なレスを有り難うございます。  そうなんですね、 ティントの意味さえ知らず読み始めましたが、 凝った文体ながら適切に感情表現されていて、 読み易かったですし、 最後、鮮やかに裏切られ、 何だかドキドキしちゃいました。  阿笠さんほどドラマチックじゃないかも、ですが、 地味だった高校の同級生が、 学力を生かして大学時代に良いバイト先を見付け、 自信をつけてグングン素敵になっていくのを 目の当たりにしたことを、 40年ぶりぐらいに思い出しました。  華やかさへの引け目…… 思春期は特に感じてしまうものかもしれませんね。  そんなフレッシュな感性を描けるのって、 素敵ですね
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