ぴょんきち

 かつて、研究職の夫を持つ友人が「うちの夫は極道者。極道ってね『道を極める』って書くんだよ」と言いました。損得関係無くただただ自分の道を極めるんだと。  このお話を拝読して、まず思い出した言葉です。 世間の常識ではなく、自身の人間としての道を貫く親父っさんと女将さん。 沢山の迷いの中から失いかけた自分の道を模索する若い人達。  最初は硬い殻で身を守ろうとする。 でも、一人じゃない。沢山の手が差し伸べられる。段々と周りが見えて来ると、ちょっとずつ殻から出て見る。まずは指、腕、足。いつのまにか殻から抜け出して、今度は自分が差し伸べる側にまわる。方法は乱暴でも、苦しみや悲しみを知っているから暖かい。それぞれの道が見つかりますように。 親父っさんと女将さんの作った家に出会えて、どれだけの命と心が救われただろう。 有ったら良いな。こんな場所。

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