先週ちょっと異世界に転生していたもので妄コン「夏の夜」の発表を見過ごしておりました。 遅れ馳せながら入選された皆様、おめでとうございます。 逃した方々におかれましては、心中お察し致します。 何しろ夏の夜ですしね、執筆中に蚊の大群に襲われてさぞかし筆が乱れたものでしょう。 そして本当に申し訳ございません、その蚊は私です。 異世界転生した時点では勇者だったのですが、魔王に敗北して「一夏中に総計1トンの血を吸わなければ戻れない」呪いをかけられた蚊の大群としてこちらに逆転性したのです。 しかし皆様の尊い犠牲のおかげで、ノルマの10倍の血を回収しスキルも10倍チートして見事に魔王を討伐し元通りに返ってくることができました。 多謝。 ところで蚊は成虫としてせいぜい2・3週間、幼虫時代を合わせてもプラス2週間程度しか生きられず、私の蚊ライフも短いものでしたが、わかったことがあります。 蚊は本来、血など吸いたく無いのです。 蚊の口は蝶と同種のストロー型で液体しか摂取できず、普段は花の蜜とか果物の汁とか吸っています。 が、幼虫時代に諸々怠けた結果、成虫になってからも多量のタンパク質を得て卵巣を発達させなければならないメスだけは、身近で最も栄養価の高い血を吸うしかなくなるのです。 ストロー状の口は、そのストローである下唇の中に、血を吸引する管の上唇、上唇を被う二枚の大顎、刺すときに皮膚を切り裂く二枚の小顎、吸いながら血が固まらないようにする成分を含んだ唾液を注入する下咽頭が一束に収納されています。 血を吸うだけならまだしも、この唾液に対するアレルギー反応で皮膚が腫れて痒くなるのです。 難しいですね、蚊としても別に痒くするつもりは無いのですが、唾液を入れないと血中の血小板のせいで刺さった口ごと固められて動けなくなり死んじゃうんです。 ただし、わかったことはもう一つあります。 蚊にも味覚が備わっていました。 植物の汁とか牛や鶏の血なんかよりも人間の血が断然美味しくて栄養がありまして、最初のうちは血を吸う罪悪感もあったのですが、本当は最終的には吸いたくて吸ってましたね、すみません(笑 殴打や薬剤による瞬殺のリスクは伴いますが、また転生の機会に恵まれた際にはもう一度蚊をやりたいと思う程の美味でして、皆様にも是非オススメです。 ふぅん、そう蚊ぁ( --)=3
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