はーこ

たいへん長らくお待たせいたしました💦
相互レビュー企画にご参加いただきまして、ありがとうございます! 現在更新分の209ページまで拝読いたしましたので、ご要望のあった点もふまえながら、レビューさせていただきます。 ●出だしの引きと、その後のテンポはどうか ヒロイン和宮が、婚約者となる熾仁と初めて出会う幼少期のシーンから物語が始まりますね。以前拝見した『仁祖反正異聞』『宮廷女官連続殺人事件』の2作は冒頭から命が脅かされる事件が起きていて、ページをひらいた読者に対し先制攻撃を食らわせる所謂『張り手型』の導入に対し、こちらはあらすじに記載されていた婚約者との出会いから順を追って物語が進んでいく、『撫で型』の展開ですね。初見のインパクトについては、前述の2作よりもすこし印象が薄いかもしれません。ただ個人的な感覚ですが、『張り手型』は男性的な、『撫で型』は女性的なイメージのある展開方式です。本作は2組の男女の別離と恋の成就を描く恋物語要素がありますので、作品全体のバランスを鑑みると、女性的な『撫で型』式導入はマッチしているともいえます。 次に、その後のテンポについて。まず前提として、1ページが約800字前後だとして話をすすめさせていただきます(あくまで概算ですので、厳密には違う部分もあるかとは思いますが、ご了承くださいませ) 第二幕までのストーリーの流れをおおまかにまとめますと、以下のようになります。 ・和宮に破談が言い渡される ・岩倉具視たちの説得に断固拒否を決め込む日々 ・大叔母の脅迫まがいの忠告に動揺する ・熾仁たちに危険が及ぶくらいならと、半ば自棄気味に破談を受け入れる ここまでで22ページ、文字数としては約1万8千字となります。まず感じたのが、「早くもマンネリ気味かもしれない」ということです。和宮と熾仁の出会いから破談に対する抗議まで、丁寧に描かれているのですが、ひたすらに和宮が拒否しているほかにストーリーのエッセンスとなる刺激がなく、すこし物足りなさを感じます。この場合のエッセンスとは、起承転結の『転』に当たる部分です。 (続きます)
1件・5件
私も執筆をしながら統計を取っていたのですが、どうやら読者は、約2万字までの間に物語の起承転結、いわば『ひとつの事件の解決』を望んでいる傾向にあるようです。実際小説投稿サイトでも、「1話の文字数4千字まで、全5話まで(=最大2万字)で、『長編作品の中のひとつめの事件や最初のボスを倒すような展開を執筆して、読者が続きを読みたくなるような読み切り短編』」の募集がされているものがあるほどです。 これをふまえまして、第二幕までを見てみますと、 次々と問題が立ちはだかる展開 →◎ 何一つ問題は解決していない →△ というような評価になります。起承転結の『転』がなく、起承承承……と続いてしまっている印象で
1件4件
●主人公ふたりの惹かれ合う過程について はじめにぶっちゃけますと、ここから文字数がどうのこうのと細かいことはなしにさせていただきます。和宮が家茂と対面したシーンから、格段にストーリーが面白くなっていくからです。ふたりの物語に読み手としても没入するので、細かいことはどうでもよくなって夢中でページをめくるんですね。 和宮と家茂の初対面は最悪なものでしたが、たがいに誤解があったことを知り、それぞれに想い人がいたことを思いやって徐々に言葉を交わすようになるシーンは純粋で初々しく、それまで殺伐とした物語の雰囲気にさらされていた読み手の心をも洗うようでした。ここにきてはじめて「ほっとした」とでも言いまし
1件

/1ページ

1件