ヤギチュール

暖炉の炎が燻るように。
どこか温かく優しい作風、というのが夏見さんへの印象だったのですが、今作は珍しく終始暗いおはなしで少し驚いています。こんな作品も書けるなんて、やっぱり夏見さんはすごいです。 暗い展開を予感をさせる書き出しから、ささやかな期待に蓋をするラストへ。その途中でわずかな希望や安らぎがちらりと見えてはかき消えていく様子が、暖炉の炎が揺れる描写と重なっているように感じました。 2000年後、魔女の口元にあたたかな笑みが浮かんでいればいいな、と思いました。時節柄もあり、ちょっと風の冷たい夜に読むのにぴったりなお話で、じっくり楽しませていただきました。ありがとうございました。
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人間たちが浮つくハロウィンの夜、異形のものとして長い時を生きた魔女が何を思うか。彼女の抱えるあたたかな記憶とほの暗さを感じ取っていただけたようでとっても嬉しいです。 暖炉の炎については魔女狩りといえば火あぶり、というイメージから印象的なモチーフとして使ってみました。 素敵なお言葉、本当にありがとうございました!!
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