乃上さり

主人公と一緒に森に迷い込んだ感覚になりました
“私”が境い目に近づいているのか、あの子が近づいて来ているのか、途中ひたひたと忍び寄るものへの恐怖を感じながら読みました。里と森、現実の記憶とあるはずのない記憶、現世と常世、その境目が曖昧になっていき、主人公と一緒に迷子になっているような気分になりました。森の描写も素晴らしくて、だからその場に自分もいるような感覚になったのでしょう。“私”は微笑みながら境を越えたあと、友人が言っていたように消えてしまったのでしょうか。とても面白かったです。
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