少女たち、かつて少女だった女性たちの胸をときめかす作品
 蜜原氏は様々なジャンルの作品を描くだけに掴みどころのない作家である。  敢えて大雑把な括りで紹介すると、現代社会を発展させた仮想世界を舞台に奇想天外なストーリーが展開するのが特徴で、背後には現代社会の実相や諷刺を滲ませたテーマが隠されているというところか?  氏のエッセーで分かる通り、氏は現代社会にハッキリとした意見、主張を持つ論客であり、氏の小説はある意味、氏の意見、主張の具現化なのである。  氏をSF作家と意識したことはない。私は便宜的に「諷刺作家」、「寓話作家」と呼ぶ。  今回の作品は、従来の氏の作品と同様に仮想世界を舞台としているが、これまでの作品とは決定的に違う部分がある。  それは氏の作品のテーマである現代社会の実相、諷刺が殆ど抜け落ちており、仮想世界に展開する奇想天外ストーリーという印象を強く持つ。  氏とラノベについて語ったことがあるが、この作品は無論ラノベではない。ラノベは定番の重要なテーマがあるからである。  では現在、流行のライト文芸かと聞かれれば、私は懐疑的である。  改めて全体を通読した感想で述べれば、読者年齢を幅広くとった女性向けの「少女小説」というところだろうか?  少女たちが武器を手にお互い切磋琢磨する光景は、女性読者の「カッコよい同性」への憧憬の対象になるであろうし、いわゆる「百合小説」や「GL」とは一線を画す、かつて少女雑誌の連載小説で展開された少女同士の単なる親友の枠を超えた甘酸っぱい関係をほのめかせる部もある。  氏のミリタリー、特に兵器への造詣の深さは、その描写が克明でリアルであるだけに、女性読者の憧憬を掻き立て感情移入に成功している。   氏は続編も検討しているようであり、少女たち、そしてかつて少女だった女性たちを胸キュンにする作品として、今後続編で少女たちの関係がどう展開していくか、少女たちのカッコよさをどこまで描けるかに期待したい。
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 はわー! 拙作に過分なレビューありがとうございます!    そんなにジャンル幅広くないんですよ💦 ヒューマンドラマかSFぐらいですし……。全ジャンル制覇! なんて頑張っている方さえいるのに……。    たしかに仮想世界を扱うことが多いですね💦  ただ、あんまり社会の実相や風刺を~っていうのはあまり意識していないんです。ただ、SFというものは性格上、風刺や寓話性もあるのでそうおっしゃっていただけるのは的を射ているのかも。    そうなんです。  とくに理由はなかったのですが、これはリア友さんとかと共有していたも同然の世界なのですね>聖パルーシア学園がある世界。  そして、そこでの日常のひとこま
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 真面目な話、作品論をまとめて書きたいと思ったのは、蜜原さん、未苑さん、あと蜜原さんと未苑さんのおふたりには未知のおひとりくらいでしょうか……。書くと役に立つくらいのネームバリューのないのが本当に哀しい。
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